- 痴漢列車 恥辱まみれの白き人魚 後編 -
さやかが“痴漢事件”のおとり捜査を始めてから三日目の夜8時ごろ…彼女は前日までと同じように××線の○○駅のホームにいた。
彼女の姿は、“あの恥辱”を受ける数日前にもこのホームの上に見られたが、その時のようなリラックスした様子は今のさやかからは感じられない。
(おとり捜査を始めてから三日目…事件の件数から考えてもそろそろね…今度こそ必ず…!)
連日さやかは同じ場所から列車に乗り込んでいたが、再び“あの少年”に出遭うことはなかった。だが、事件が起きている件数やペースから考えてもそろそろのはず、とは考えていた。
彼女の自身の下着に仕込まれたしかけの起動スイッチを握っていた左手、汗ばんだそれを握り締める手にギュッと力が入る。
やがて下り列車がホームに滑り込んでくる…今日もホームは大勢の人々で溢れ返っていた。
その停車した列車にたくさんのひとたちが乗り込んでいく…さやかもまたその人波の流れに乗るように先頭車両へと乗り込んでいった…。
この時間の列車内は相変わらずの混雑ぶりでさやかもまた、列車中央付近で帰宅途中のサラリーマンや学生たちにもみくちゃにされていた。
(ううぅ…ふぅ…この間と同じ状況…今日は来るかもしれないわね…)
この間辱めを受けた時と同じ状況に、さやかはその事を連想していると…さわっ…前と同じようにさやかのミニスカート越しに何者かがヒップを撫で回してきた。
(来たのっ?)
さやかの全身に以前とは違う緊張感が走る…今回のそれは“たまたま当たった”というレベルではなく、明らかに彼女の尻の感触を味わうように愛撫してきている。
だがさやかも今回は初めから自身の身体に悪戯される覚悟だったので、特に同様する様子もなくやや気色悪さを感じながらもその尻を愛撫してくる感触、恐らくは誰かの手であろう、それを素早く掴み取る。
尻を撫で回してくる感触を自身の身体から右腕で引き離し、それをひねり上げようとする。
「このっ…きゃっ…あっ、あん」
だがさやかに痴漢してくる周りの人間たちも以前とは違っていた…乗客たちはさやかの両腕両太腿へとあっという間に組み付いてきたのだ。
そしてすかさず前にいた男が彼女の双乳を揉みほぐし、左足に抱きついてきた男は左手を彼女のミニスカートの仲に忍び込ませ股間を気持ち良さそうにまさぐり始めた。
「うぅ…あっ…あっ…あん、あぁん…はあぁん」
激しく揉みくちゃにされる双乳、巧みに刺激を与えてくる秘所への指使い…男たちがさやかの柔肌を愛撫してくるたびに彼女は悦楽を、官能を享受してしまう。
「へへっ、このおっぱい、すげえ感触、気持ちイイぜ、ぐへへへっ」
「下の方もいい感じだぜ。それにこのムッチリした太腿…くぅぅ…たまらねえぇ!」
「この細い腰周りもプヨプよしてて気持ちいいぜ…ぐへへへっ」
「おい、独り占めするなよ…どこでもいいからオレたちにも触らせろ、ふへへへへっ」
「あぁん…はあぁん…あっ、あん…あああぁぁん」
「…見ろよ、この女…すっかり感じちゃってるみたいだぜ、ぐへへへへっ」
瞬く間にさやかへと群がってくる無数の手…細腕、色白の柔肌、双乳、両太腿、股間…次々とされるさやかへの愛撫が彼女を快楽の海へと導いてゆく。
さやかは汗をびっしょりかいて、顔を真っ赤に染めている。その薄い朱唇からは抑えきれずにたまらず甘い吐息が漏れてしまう…。
しかし薄れ行く意識の中で彼女は懸命に反撃の機会を窺っていた。
(う、ううぅ…でもまだあの子は現れてない…“あれ”を使うのはまだ早いわ…それにあたしは…負けられない…負けられないのっ)
「くぅぅ…ええぇぇい!!」
さやかは全身の力を懸命に振り絞り、自分に組みついていた乗客たちを振り払う。
「はぁ…はぁ…はぁ…」(よし、この隙に変身よ…それにもし“あの子”が出てくれば…)
そして彼女は息を切らしながらチェンジブレスを身につけている左腕を頭の上に掲げ変身の体勢を取ろうとする。
「レッツ!チェ…きゃっ、あ、あっ、あん」
左腕を掲げ変身の体勢を取っていたところへ、突然の股間からの脱力感がさやかを襲う。以前のように“あの少年”が中を覗き込むようにさやかのミニスカートをヒラリとめくり上げ、右手で彼女の秘部をまさぐっている。
「うふふっ、また会えたね、おねえさん♪」
「あっ、あっ…あん…あっ、はあぁん」
少年が与えてくる淫靡な感覚と脱力感がさやかから意識を奪っていく…だが彼女はこの機会を狙っていた、彼が自分の下着を通して自分の身体に悪戯をしてくる瞬間を。
(今だわ…これでも食らいなさい!)
カチッ…ビリビリビリビリッ!…さやかのアンダースコートから強烈な電流が、以前彼女が麻衣へ試した時よりも凄まじい刺激が少年へと伝わっていく。
「わ、わあああぁぁぁ!!」
驚いた少年はたまらずまさぐっていたさやかの股間から手を離し、フラフラと後方へとよろめいていく。
(よし、チャンスだわ)「はっ…やあああぁぁぁ!!」
さやかは自身の両手で、よろめき動きが止まっている少年の右腕を素早く掴み自分の後ろへ勢い欲投げ飛ばす。宙を舞人ごみへと飛ばされる少年。
「うわあああぁぁぁ!!」
小さな彼の体は乗客の人波へと消えてゆく…そしてこの車両にいた人間たちも動きが止まってしまった。どうやら乗客たちをコントロールしていた“あの少年”がダメージを受けた事で一瞬動きが止まってしまったようだ。
(よし今だわ、今度こそ変身よ)再び左腕を頭上に掲げ変身の体勢を取るさやか。
「レッツ!チェンジ!!」
掛け声と共にさやかの身体は白くまばゆい光に包まれる。そして光が立ち消え中から現れたのは、フルフェイスのマスクをかぶり、全身を白くよどみのない、ピッタリとしたスーツを纏った戦士“チェンジマーメイド”に変身したさやかの姿であった。
「よし…あなたたちは何も悪くないけど…しばらくおとなしくしてもらうわよ、はあっ!」
今まで守勢に回っていた彼女がこれまでのうっぷんを晴らすかのように反撃に転ずる。変身してアースフォースの力を最大限に開放したさやかが目にも止まらぬ素早さで棒立ちになっている乗客たちを次々と手刀でみね打ちにしていく。
「えいっ!やあっ!とうっ!…」
ビシッ、バシッ…躍動する肢体…純白のチェンジスーツを身に纏ったさやかが流れるように次々と周囲の乗客たちを気絶させていく…。
「っ…テテテ…あれっ?あの白い人は?…もしかして…おねえさん?」
さやかに投げ飛ばされ倒れていた少年が頭部を抑えながらよろよろと立ち上がる。その彼の瞳には、全身を白いスーツを纏った戦士が華麗に躍動する姿が写っていた。
だが彼にはマスクで顔の表情は見えないが、その白い戦士から発せられる“特徴的な声”、躍動する曲線的な身体のラインからそれがさやかであることがすぐに分かった。
「えいっ、やあっ」
そしてさやかが周囲の乗客を全てみね打ちで気絶させる…ふぅ…そこで彼女が大きく一つ息をついて呼吸を整えていると…。
パチパチパチ…どこからともなく拍手する音が聞こえる。それはあの少年だった。さやかはその彼の方へキッと視線を向ける。
「へぇ、すごいやおねえさん、そんな力隠し持ってたなんて…ホントにホントに強かったんだねぇ」
そんな少年の言葉にもさやかは何も言葉を発せず、身構え戦闘体制を取りながら、無言で彼をじっと睨みつけている。
「それにその体にピタッとしたスーツも似合ってるよ…おねえさんのキレイな体のラインがくっきり出てて、とっても悪戯しがいがありそうだからねぇ、それにその“全身白”って言うのもたまらないなぁ、あははははっ」
どうやらチェンジマーメイドとなったさやかの姿に少年は新たな性欲をかきたてられたようだ。
「…この前は不覚をとったけど…今度は勝たせてもらうわ…そしてあなたの招待を暴いて…二度とこんな事させないようにあなたを倒す!」
さやかは右の手に持ったチェンジソードを少年に向かって突き出し、力強く宣言する。
「へぇ、頼もしいなぁ…おねえさんってキレイでかわいいだけじゃなくてとっても凛々しいんだねぇ」
「…そんな態度をとってられるのも今のうちだけよ、覚悟しなさい!」
相変わらず余裕の態度を取り続ける少年。さやかはチェンジソードを光線銃タイプに切り替え戦闘体勢を取る。
「いくわよっ…これでも食らいなさい!」
ビシュ、ビシュ、ビシュ、ビシュ…さやかのチェンジソードから放たれた光線の雨が少年を襲う。
「…あれを食らったらちょっといたそうだなぁ…よっ、と」
そう言うと少年は両の手の平を前方にかざす。すると彼に向かってきた光線の雨はその手の平の前で次々と消滅していく…どうやら彼の目の前には見えない膜のようなものが張られ、それが光線を吸収しているようだ。
(くっ…あの子に単純な攻撃は通じないの?…じゃあこの手はどう?)
今の攻撃が通じないと見るや、頭の回転の早いさやかはすぐに考え方を切り替える。今度は彼の足元に狙いを定め光線を乱射する。
ビシュ、ビシュ、ビシュ…バァンバァンバァン…さやかのチェンジソードから放たれた光線は次々と彼の足元の床へとヒットする。だがそこから黒煙が上がるだけで、少年には当然ながら何のダメージもない。
「あはははっ…どこを狙ってるの?…気でも狂ったのかい?おねえさん」
そんなさやかの行動をせせら笑う少年。だがそれが彼女の狙いだった。彼の前に立ち上った黒い煙は黒い膜のようになり少年からさやかの姿を覆い隠す。
「くっ、これがおねえさんの狙いだったの?…はっ!?」
そこへ黒煙の中から何かが少年に向かって飛んできた。ガッ…あわてて左手でガードする少年。
「くっ…あれっ?何コレ?」
彼が受け止めた物、それはさやかがおとりに放り投げたマーメイドバズーカそのものだった。それに一瞬気をとられてしまった少年。その隙に少年の頭上を飛び越えてさやかが彼の背後に回りこむ。
「こっちよ…やあぁ!!」
「はっ!?…ぐふっ!!…わあああぁ!」
後ろに回りこんださやかが、左腕で少年の首をグイッと引っ張り、彼の腰に思いっきり膝蹴りを食らわせる。そして少年に体重を預けそのまま彼を押し倒していく。
「ぐふぅっ!…テテテ…うっ?」
左腕で首を絞められうつぶせに転がされた少年の後頭部にさやかの光線銃タイプのチェンジソードが突きつけられる。
「どう?…まだやる?」
「…ふーん、おねえさんほんとに強いんだねぇ…ちょっと見直しちゃった」
「さあ、あなたの正体となんでこんな事するのか教えなさい!…そうすればあなた殺しをするような子じゃなさそうだし、もうこんな痴漢をしないって約束すれば命までは取らないわ」
「へぇ、おねえさんやさしいんだねぇ…ちょっとドキッとしちゃったな、へへっ」
「まだそんなこと言ってんの?…さあ、早く答えなさい!」
さやかが少年の後頭部に突きつける銃が彼の頭を強く押し付ける。はたから見ていればさやかの優位は動考えても動かないように見えた。だがその時…
カランッ…さやかが右手で持っていたチェンジソードを落とし右胸を抑えだす、いやむしろ自分の手で鷲掴みにしているようだ。そして彼女は少年の背中に乗せていた身体を起こし立ち上がる。さらに立ったところで空いていた左手で自身の股間をまさぐり始めた。
「な、何で、体が勝手に…あっ、あっ、あん、ああぁん」
突然勝手に動き出した身体にとまどうさやか。さらにそれは立ったまま自慰行為をするように自分の胸や股間をまさぐっているのだ。マスクの中の彼女は頬を朱に染め、胸を張るように体を突き出し、身体を弓なりにして自分の右胸や股間をいじくりまわしている。
うつぶせの状態から立ち上がった少年は、そんなさやかの姿を見てニヤニヤと笑みを浮かべている。
「うふふっ…凛々しいおねえさんもいいけど、やっぱそうやって悶えてる姿がおねえさんは一番似合ってるよ、あははははっ」
「う、うぅ…ど、どう…して…勝手に…あっ、あん、あん」
相変わらず自慰行為をしながらさやかが少年に問いかける。
「それはあとで教えてあげるよ♪…それよりこの光線が出る銃、面白いよね…実はぼくこういうの一度討ってみたかったんだ…」
さやかが落としたチェンジソードを拾い上げ、それをじろじろと眺めながら少年がそんな事を言う。さらに彼は続ける。
「!そうだ…これおねえさんに試し討ちしてもいいかな?あははははっ」
チャッ…そんな恐ろしい事を言って、少年はチェンジソードをさやかに向ける。
「あ…や、やめ…やめ…な…さい…あ、あん」
相変わらず自らの意思で行動できないさやか。右腕はだらりとたらし、左腕は変わらずに股間をまさぐり弓なりになって身体を痙攣させもだえている。
「じゃ、いくよ…ふぁいあぁ♪」
ビシュビシュビシュビシュビシュ…最大出力のエネルギーから数十発の光線の雨が容赦なくさやかの胸元を襲う。
バァンバァンバァンバァン…無数の光線がさやかの胸元にヒットし、当たるたびにそこから火花があがる…光線が当たるたびにその勢いが彼女の身体をよろよろと後ろへ、列車の両開きのドアへと運んでいく。
「きゃあ、ああっ、きゃあ、ああぁ、あああぁぁ……ああん!」
ドシンッ…そして彼女はついに列車のドアまで運ばれてしまった…バァンバァンバァンバァン…だが少年の試し討ちは尚も続く。
「きゃあ、ああっ、ああぁ、あああっ、いやああぁぁぁ…!!」
容赦なく討ち続けられるさやか…彼女は上を見上げいやいやをしながらひたすら悲鳴を上げ続ける事しかできない…カチッカチッ…やがて少年が討っていたチェンジソードから光線が出なくなる。どうやら最大出力で討ち続けたためのエネルギー切れのようだ。
「…あれっ?もう出ないの?…まあいいや…これはもうおしまい♪」
そう言うと少年は手にしていたチェンジソードを“もういらないっ”と言わんばかりにポイッとその変に投げ捨ててしまった。
「あ……あ……ああ…」
光線銃の雨から開放されたさやかは変わり果てた姿になっていた。討ち続けられた胸元は黒く焼けただれている。回路がショートしたのか白煙がプスプスと2、3本上がっていた。
ドサッ…そして彼女はゆっくりと崩れ落ちるように右側の手すりの方へとうつぶせに倒れていく。
「う…あ…あ…」
彼女は手すりを掴んで必死に立ち上がろうとしている。
「あれっ?まだ立てるんだ…すごいなぁ」
そう言うと少年はさやかに向かって歩き始めた。
「う…ぐ、ぐぅ…」(ま…まだ…まだ…よ…)
手すりを掴み膝立ちになってよろよろと立ち上がるさやか。そこへ少年が彼女の背後から近づき、両脇の下から腕を回し、さやかの双乳を揉み始めた。性感への責めが彼女を快楽の世界へと導き、力を吸い取られるような脱力感を与えてくる。
「あ、あん、あっ、あっ、あん、あん……ああぁん」
「…ねぇ、まだそんなに動けるんならぼくと遊ぼうよ、おねえさん、ねぇ、ねぇ…あははははっ」
そう言いながら少年は柔らかな感触を味わい、楽しそうにさやかの双乳を揉みほぐしている。
「あっ、あん…ああぁん…はあぁん」
「!そうだ…さっき何でおねえさんの体が勝手に動いたのか聞いてたよね?…おねえさん頑張ったしせっかくだから教えてあげようかな?あははははっ」
無邪気に笑いながら少年が淡々と説明し始めた。
「…実はぼくは超能力の使い手なんだよ、それも宇宙でも有数のね…おねえさんから力を吸い取ってたのも、体が勝手に動き出したのも、列車を異次元空間へ送り込んだのも、乗客たちを操ってたのも、乱れた服装を直した事も、痴漢された後座らされていた事もぜーんぶぼくの仕業だったってわけさ…あははははっ」
(う、ううぅ…やっぱりそうなの?…でも今言ってた事が全部本当なら…ものすごい能力(チカラ)だわ…なんて恐ろしい子なの?)
薄々感じていた事だが、本人の口から語られた事で改めて彼女は戦慄する。
「で、おねえさんゴズマとかなんとか言ってたけど、ぼくは本当にただの趣味で痴漢をやってるだけさ…おねえさん、正義の味方みたいな事やってるみたいだけど、少しは安心した?…あ、そんな事関係ないか?…あはははっ」
さらに少年は話を続ける。
あ、それとおねえさんの言う通りぼくは殺しはしない主義なんだよね…それと遊んだらちゃんと後片付けするってのもそうなんだ、だから痴漢させてもらった後は元通りにしてたのさ、偉いでしょ?…えへへへへっ」
機嫌がいいのか口数が多い彼はさらにしゃべり続ける。
「…それにしてもこの地球って星はきれいな女の人が多いよね…おねえさんみたいな人もいるしねぇ、ぼく気に入っちゃった、えへへへっ」
相変わらず白いチェンジスーツの上からさやかの両胸を揉みながら、そんな事をしゃべっている少年。
「ああん…はあぁん…あん、あ゛あ゛あ゛ん」(ううぅ…勝てない…あたしはこの子に勝てないの?…みん…な…)
だんだんと激しくなっていくさやかの喘ぎ声。マスクの中の彼女は何本もの屈辱の悔し涙で頬を濡らしていた。
「ねぇ、そういえば…そのマスクがあるとおねえさんのかわいい顔が見えないんだよなあ…だからそんな無粋なモノ取っちゃおうよ、ねぇ、ねぇ」
そう言うとさやかの両腕が勝手に動き出し、頭部のマスクへ手を掛ける。そしてそれが彼女の頭からスルスルと引き抜かれていく…。
(えっ?…また勝手に?そんな…いやっ、いやっ…いやあぁ!)
ふぁさぁ…カランっ…こうしてさやかの顔を覆い隠していたマスクがいとも簡単に引き抜かれその素顔が露になる。マスクの中にまとめられていたセミロングの黒髪がゆっくりと広がっていく…その顔は今までの辱めで汗だくになりほおを真っ赤に染め、何本もの屈辱の涙が頬を濡らしていた。
「これでよし、と…そうそう、やっぱその表情(かお)が見れないとおねえさんの魅力は半減しちゃうよ…ん?何で泣いてるの?…ぼくはこんなに楽しいのにさ…おねえさんももっと楽しもうよ、ねぇ、ねぇ…あはははっ」
そう言うと少年は左胸を揉んでいた左手を股間にまわし、よどみのない白いスーツの上からさやかの秘部をまさぐり始めた。右手は彼女の右胸を、左手は股間を悪戯している少年の魔手。
「きゃあ、ああっ、あん、ああっ、いやぁぁ!!」(ああっ…また力が…力が…それに頭がぼーっとして…あたしまた負けちゃうの?)
ほとんど放心状態のさやかは虚ろな瞳で列車の天井を見上げている…とめどなくあふれ出る涙がさやかの頬を濡らしていく…半開きの口からはだらしなく涎をたらしていた。
乳房への、股間への少年の巧みな指使いがさやかの性感を刺激し、めくるめく快感が脳へと押し寄せてくる。
これまでの数々の責めによる体力の消耗と、少年が与えてくる脱力感がさやかの意識を徐々に奪っていく。
その上、圧倒的に見せつけられた少年との力の差が彼女から戦にをも少しずつ削いでいった。
「…ぁぁ…ぁぁ…ぁぁ…」(ああ…みんなの前であんなに大きな事言ったのに…あたし、情けないな…)
放心状態で身体を痙攣させているさやか。意識が遠くなっていく彼女は、もう性感を責めてもこれまでのように喘ぎ声すら発することはなくなっていた。その時、彼女の身体に変化が起こる。
ビイィィイン…そんな音と共にさやかの全身が虹色の光に包まれると“チェンジマーメイド”への変身が解けてしまった。どうやら少年がさやかに与えていた脱力感が彼女の変身を解除させてしまったようである。
変身の解けてしまったさやかの身体。すっかり乱されてしまったいつもの白いスーツが身体を包み、ボロボロに破かれた白いミニスカートが彼女の下着をかろうじて覆い隠していた。
「あれぇ?…その“白い正義の味方”みたいなのはもう終わりなの?…あの姿のおねえさんも全身ピチピチでよかったのになぁ…ま、いいや、あははははっ」
「…ぁ…ぁ……」(ああ…も…もう…ダ…メ…み…んな…麻…衣…ゴメ…ン…)
ガクンッ…掛け替えのない仲間、親友たちを思い浮かべながら、さやかはガックリと気を失ってしまい、重力に任せるままに頭(こうべ)をたれてしまった。
今のさやかは少年の両手、右胸を握っている右手と、ミニスカートの中の彼女の三角地帯をムンズと掴んでいる左手だけで支えられていた。
たくさんの悔し涙で頬を濡らし、気を失っているさやかの顔を後ろから覗き込む少年。
「あらっ?…もう気を失っちゃったんだ…今回もぼくの勝ちだね♪あはははっ…さて、遊んだら後片付けしなきゃね…」
そう言って以前のように彼女の乱れた髪や服装を戻そうとすると…いつの間にか異次元空間を抜けていた列車が次の停車駅である△△駅にまもなく辿り着こうとしていた。
あれっ?いつの間に?…いっけねえ、ちょっと調子に乗って遊びすぎちゃったかな…」
そう言いさやかの身体を抱えながら少年は難しい顔で思案している。
「しょうがないなぁ、今日はこのままにしていこうかな?…遊んだ後はちゃんと後片付けしていくのがぼくの主義なんだけど…姿見られちゃうと後々面倒だし…ま、いっか♪」
そう言うと少年は意識のないさやかの顔を覗き込み彼女にやさしく語りかけた。
「そういうわけだから、今日はこのままにして帰るよ…でも今回も楽しかったよ…おねえさんにはまた会いたいな、じゃあね♪」
そう言い終わると彼はそっとさやかの唇を奪う…そして両手を彼女の身体から手放す。重力に任せ勢い欲床にドサッとうつぶせに倒れ込むさやかの身体。
そしてどこからともなく風邪が吹き抜ける。すると少年の姿はいつの間にかその場から見えなくなっていた…。
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…△△駅に到着した列車は駅に着いたと同時に、列車に乗ろうとしていたホームにいた乗客たちにその異常を通報されパニックになってしまっていた…。
××線も完全にストップし、物々しくなり何事かとざわついている駅の構内。
…その数十分後、通報を聞きつけ残りのチェンジマンたち4人が△△駅にやってきた。彼らは異常が発見された現場へと急いで直行する。
そこで彼らは驚くべき光景を目にする。その光景に麻衣はたまらず両手を口元に当て悲鳴を上げてしまう。
「きゃぁーっ!!さ、さやかぁーっ!!」
そこで彼らが見たものは髪やトレードマークの白い服装をすっかり乱され、うつぶせに転がされているさやかの姿だった。
「さやかぁっ!さやかぁーっ!!」
転がされてるさやかの傍に寄り添い、無二の親友の名を涙声で必死に叫び続ける麻衣…その時転がされていたさやかが意識を取り戻す。
「う…う…う…麻…衣?」
「さやか?さやか…気がついた?…よかった…」
さやかが意識を取り戻し安堵の表情を浮かべる麻衣。
「…麻衣…あたし…あた…し…」
「いいの、さやか…いいのよ…今はもうしゃべらないで!」
瞳に涙を浮かべながら何かをうったえようとするさやか。やさしい視線で語りかけさやかのそれを制する麻衣。
「う…ん……麻…衣…ゴメン…ね…」
そう言うとさやかは静かに瞳を閉じ、彼女は再び意識を遠のかせていった…。
-完-