復讐の残り火2
2000年の夏のある日、気持ちのいい陽気だった。
大河冴は自宅にいた。
あの悪夢のような出来事から数ヶ月経ち、体調もすっかり回復した。
もちろん、大好きな海もだ。
自分が身体を壊して寝ていた頃、冴が何か大変な目に遭った事を父は感づき、わざわざ鹿児島から来たのだ。
冴はその時はもうガオズロックでなく自宅療養をしていた。
その日はたまたま海が看病に来ていて、談笑をしていた。
その時、いきなり父が来たのだ。
可愛い娘の部屋に男がいる、強面の父はさらに表情を険しくして海を見る。
海はすっかりびびったが、何とかもどかしくも誠実に大人の対応をした。
冴も何とかフォローする。
父の強面姿には大抵の人間はビビる、それは冴も分かっていた。
彼女自身は幼い頃から見続けてきて、さらに父は自分には厳しいが結局優しいため、もう怖くはないが。
自分が危なかったあの時、海が命がけで自分を助けて守ってくれた事を告げる。
父は納得し、海に感謝してくれた。
冴は安心と共に、強い希望を持った。
冴(お父さん、海の事を気に入ってくれたみたい、、よかった! お父さんももし相手が海なら、許してくれ、、て何考えてるのよあたし! まだそんな、付き合ってもないのに…。)
年頃の少女らしく、将来の結婚への可愛らしい妄想をしてしまい、恥じらいに頬を染める。
その日からどのくらい経ったか、今現在、冴は外に出かける準備をしていた。
遊園地に連れて行ってくれた、そして助けてくれたお礼に、海と動物園に行こうと約束をしたのだ。
朝シャワーを終え、クローゼットの中の衣服の中から何か探している。
今日着る衣服だろう。
それを着て、鏡を見て、よし!と張り切って出かける。
…待ち合わせの駅前に着いた、まだ海は来ていない様だ。
冴は「早く来ないかな」、とワクワク又ドキドキしながら、海を待っていた。
急いで街を走る一人の青年。
少年といっても通じそうな若い男、海だった。
冴に強引に動物園デートに誘われ、よく分からず承諾した。
まあ、この日のためにいろいろ準備したが。
寝坊してしまい、急いで待ち合わせ場所に向かう。
海「ふう、何とか時間通りに着きそうだ。」
と、駅に着き、冴を見つけた。
声をかけて、こっちを向いて近付いてくる冴を見て海は驚いた。
冴は、きれいな真っ白のワンピースを着ていた。
フリルをあしらった可愛らしいデザインの白い服に包まれ、髪留めとして綺麗な黒髪の後ろにつけた小さな白いリボンの姿。
それは、まるで話に聞く、ピアノを弾くようなイメージの清廉な美少女のようだった。
いつもは、スカートとはいえ、活発を連想させる格好や印象だった。
いつもの冴からは想像できない可愛らしい印象だった。
そのギャップに、海は思わず言葉を失い見とれてしまう。
その様子に気付いた冴が、恥じらいに頬を染めながら、
冴「ど、、どうしたの…?」
そう聞かれると海はハッとし、
海「あ、いや…。お前、いつもと服装違うよな。どうしたの?」
と、聞かれると、冴はドキッとしてしまい、
冴「う、ううん。何でも、ないよ。行こっ!」
恥じらいを隠すように元気良く行こうと言う。
この衣服は、いつもシンプルな衣服しか着ようとしない聞かん坊の冴に、母が「女の子らしくしないと」と買ってくれたものだ。
実は元々女の子らしいファッションに興味を持っていた冴だったが、恥ずかしがりなため、都会の派手すぎるのはあまり興味がなく、母との買い物にも渋々だった。
けど、母もそこのところはよく考えてくれて、大人しめだが女の子らしい衣服を買ってくれたのだ。
さらに可愛い髪飾りまで買ってくれた。
海に好印象を持ってもらった事を確信し、心の中でガッツポーズをする冴。
冴(やった! お母さん、ありがとう!)
連休という事もあり、駅は思ったよりも混んでいた。
電車内も人がいっぱいいて、乗る前から少しげんなりしてしまった。
電車に乗って、発進する。
車内は休日にしては珍しいくらいすし詰めで、しかも周りは子供も若干いたが、背の高い学生風の若者や大人ばかり。
かなり小柄な冴には結構苦しかった。
けど海が自分の身体でスペースを作ってくれ、冴は苦しさから解放された。
冴「あ、、ありがとう…」
海「良いって良いって。」
そう笑顔で答える海。
けど時々電車の振動に合わせて周りのすし詰めの乗客の身体に強く押されて、「いてっ」と時折漏らす海。
それでも冴のスペースを崩さなかった。
そんな海の優しさに、そして目の前に海の胸元が見えて匂いが感じ取れるほど肉薄した状況に、冴は胸がキュンとしてしまう。
顔が赤くなり、肉薄した海に気付かれちゃうんじゃ、と恥ずかしそうに俯き加減になる。
そんな冴のつむじが見え、「ホントちっちゃいなあ」と思う海。
動物園は思ったよりも混んでいて、動物というよりも人を見に来たようだ。
それでも、何とか主要の動物が見れ、冴は素直に動物たちを見て喜んだ。
そんな姿に海は微笑ましい思いだった。
と、面白いものを見つけた海は、動物たちに夢中になっている冴を連れて行った。
そこは動物に触れる、というイベント場だった。
飼育員に連れられたのは、何とライオンの赤ちゃんだった。
獰猛なライオンも赤ん坊の頃はあんなに可愛いんだな…。
初めて生で見るライオンの赤ちゃんに、ふとそんな事を思ってしまう海。
冴はというと、子猫のように愛くるしいライオンの赤ちゃんにすっかり夢中で、目を輝かせていた。
しばらくして、冴はライオンの赤ちゃんを抱くことができた。
冴「うわぁ、可愛い!」
そうライオンを抱きしめる、とライオンも冴を気に入ったのか、彼女の頬っぺたをペロペロと舐める。
冴は、無邪気な顔でライオンと戯れた。
何とも愛くるしい光景だった。
そんな冴を見て、海は本当に冴を可愛らしい以上に愛おしいという思いに変わってくる。
そんな思いでボーっとしていると、
冴「可愛かったぁ♪、、? 海、どうしたの?」
いつの間にライオンを抱き終え戻ってきた冴に、ハッとした海。
海「いや、何でも。行こうぜ!」
何とかごまかしたが、さっきの感情をふと思い出す。
海(俺、さっき何考えてたんだ。こいつは、まだ子供だぞ…)
隣をルンルンと歩く、2,3歳年下の冴を意識している事を自覚して、すぐさま否定した。
それから、建物内の動物を見学した。
物珍しげに見て回っていた冴が、あるケージの動物に気付かずに間近まで近づき、気付いて目の前で見た時。
冴「きゃっ!」
驚き思わず小さく悲鳴を上げ、後ずさって海にすがる冴。
海「な、なんだっ、、どうした? あ、、なんだよ、蛇じゃないか。」
てっきりスリか痴漢に遭ったのかと思ったが、、蛇にビビっただけ。
ため息をつく海、ここでは蛇が飼われていたのだ。
大型の鮮やかな模様の毒蛇で、確かに気味が悪いが、ケージに入れられているから何にも心配はない。
海「お前、蛇とかだめなのか?」
冴は恥ずかしげに海から手を離し、俯きながらウンと頷く。
さらにため息をついて呆れ気味に冴に諭す海。
海「ったく、お化け屋敷の時といい、ホント怖がりだなあ。大丈夫だって。ケージに入ってるんだから。」
冴「だって、いきなり間近で見ちゃったから、、怖かったんだもん…。」
俯いて弱々しく言う冴。
まあ、普通の女の子なら確かにこんな大きくて鮮やかな蛇をいきなり間近で見たら怖いか…。
海は改めて、冴がか弱い女の子なんだなあ、と実感し、たかがケージに入った蛇に怯える姿が可愛かった。
その後一通り見終わって帰ろうと、、だがまだお昼だ。
どこか行く?と聞いてくる冴に、海は待ってました、とある提案をする。
冴も納得し、その場所に向かった。
そこは、ゲームセンターだった。
海は結構ゲームが好きで、時々行っていたのだ。
冴の方は、厳格な家庭だったためか、ゲームを持っていなかったらしく、ゲームセンターにもあまり行ったことがないらしい。
海が提案した時も、「あたし、あまりやった事ないの」と渋ったが、
「じゃあ、一緒にやろうぜ」と言うと、目を輝かせて承諾した。
やはり年頃らしく、興味があったのだろう。
海(けどゲームなんて持ってないだろうな。あの親父さんだもんなあ。ああ、あん時は怖かった。)
以前会った冴の父親の強面姿を思い出し、身ぶるいした。
海(どうしたら、あの親父さんからこんな可愛らしい女の子ができるんだ? 不思議なもんだ…。)
等と、いささか失礼なことを考えながら、冴の小さい手を握ってゲーセンを案内する。
冴はすっかり興味いっぱいの顔でゲーセンを見渡していた。
シューティング、レーシング、スリーセブン等など、色々なゲームを冴と楽しんだ。
新鮮な体験に、冴は夢中で楽しんでいった。
二人で勝負もしたが、やはり全部冴のぼろ負けだった。
ブウたれる冴に、今度はスポーツ物のゲームに連れて行った。
格闘で強い冴なら、結構まともにできるだろう。
と思っていたが、蓋を開けて見ると、またもや冴のぼろ負けだった。
海「何だ、お前弱いな~。」
思わず口に出してしまい、冴はまたもやブウたれてしまった。
冴「だって、あまりやった事ないんだもん。。」
海「おいおい、拗ねんなよお。」
と、ブウたれる冴の頬をプニプニとつつきながらからかうと、冴はフンとさらに拗ねてしまった。
身体も小さいし、元々の運動神経はあまり良い方ではないのだろう、と思った。
けどそれでも格闘は文句なしに強いのだ。
海(あの父親に厳しく教わって、、必死に頑張ったんだろうな、冴も。)
と、改めて冴の健気さに感心し、彼女の頭を撫でて売店に向かった。
アイスクリームをおいしそうに頬張る冴。
さっきのブウたれはどこへやらだ。
いちいち感情の変化や反応が面白く可愛らしい。
最後に海は、UFOキャッチャーに行き、中にぬいぐるみが入っていた。
冴は「できるの?」と意外そうだったがその目は期待に輝き、海は「まかせろ!」とどれが欲しいか尋ねた。
海は希望を聞き、真剣にUFOキャッチャーを操作した。
隣で冴は期待いっぱいに輝く目で見ていた。
そして、運よく3回目で子猫のぬいぐるみをゲットした。
冴「うわぁっ、ありがとう!」
と、子猫のぬいぐるみを抱き、嬉しそうに海に感謝した。
そんな姿がとても愛くるしかった。
動物園のライオンの赤ちゃんがよほど可愛かったんだろうな、、
海は知らないうちにどんどん冴に惹きつけられていった。
そして、夕食を終えて帰宅する二人。
夜の街を歩いていた時、ある人物がそっと二人を、いや冴を見て、驚いた。
そして、すかさず電話をかけ、誰かと話した。
そんな事、幸せいっぱいの冴は気付く由もなかった。
今回は海は冴のアパートまでしっかりと送った。
以前、やはり最後まで送り届けなかったせいで、あのような大惨事が起こってしまい、海も責任を感じていた。
けど、海はそんな様子は微塵も見せずに、さりげなくちゃんと家まで彼女を送り届けた。
冴もその気遣いに気付いていて、そんな海の優しさが愛おしかった。
冴「ありがとう! じゃあ、またね。」
海「おう。なあ冴、また遊びに行こうな、二人でさ。」
冴「え…っ?(二人で遊びに、、そうはっきり言ったよね?)」
海の言動に、またも強く意識してしまい、隠そうとする姿が可愛らしい。
そんな姿を微笑ましく見ていた海。
冴「う、、うんっ、行こう! 絶対だよ?」
嬉しさいっぱいに返事する冴。
海「ああ。じゃ、またな。」
幸せいっぱいに部屋に入った冴。
次の日、冴はルンルン気分でガオズロックに向かう。
今日も海に会える、、本当に幸せそうで顔に出ちゃいそうだが、ここは街中だ、何とか我慢我慢。
と、人通りが少なくなったその時、物陰の向こうで不思議な物音が聞こえた。
何だろうと近付くと、妖しげな会話まで、、
冴は不安ながらも好奇心にプッシュされ、気を付けながらも壁伝いにどんどん近付いていく。
見張りはいない、、そう確信し、一安心した冴は、壁越しにそこを見た。
そこは、物陰の中の広いスペースで、中では何と、怪しげな人々が何か取引をしていた。
黒服にグラサンの厳つい男たちばかり、、一体何をしているのか、その内容に夢中になってしまった冴は、後ろから近付く気配に気付かなかった。
その気配は間合いまで近付き、冴はやっと気付いた。
だがもう遅かった、、。
その気配は手に持った棒を、振り向いた冴の脇腹に押し付け、スイッチを入れた。
冴「うくぅっ!」
スタンガンだった、冴は抵抗する間もなく、倒れ掛かったところで気配の腕に捕まった。
取引の男たちは、冴の悲鳴で気付いたが、見つかったことに対し以外に動揺しなかった。
その気配は、力なくもたれ掛かる冴の小さい体を無理やりスペースに押し込み、強引にスペースの中央に押し倒した。
倒れた衝撃に痛がる冴は、周りの男たちが、「待ってました」という雰囲気でニヤついて見下ろしていることに強い違和感といやな予感がした。
逃げ出したかったが、スタンガンのダメージで体が動かない。
自分を取り囲む男たちに怯えるしかなかった。
すると、気配の男がグラサンを外した。
見覚えが、、そうだ!
冴は思い出し、同時に恐怖に戦慄く。
戦場でアベルにさらわれ、ヤクザの取引現場に連れて行かれ、そこで自分を散々痛めつけ、爆死させようとしたボスだったのだ。
ボス「まだ生きてたんだねえ、大河冴ちゃん。」
彼女のさらさらな黒髪を撫でながら言う。
よく見ると、周りの男たちも、確かあの現場にいた。
冴(まさかっ、、誘き出された…?)
ヤクザたちの罠に掛かり捕まってしまった事に、再度あの時の恐怖が蘇る。
取引現場を見られ、生きて返すわけには行かないと、爆弾まで用意して殺そうとしたのだ。
何とか逃げ延びたが、再び見つかってしまった…。
まだ生きている事がばれて、また捕まって、、
とんでもない絶望的な状況に叩き落されたことを理解し、恐れ慄く。
そんな彼女の姿に満足しながら、ボスはさらに言う。
ボス「大人しく爆死してりゃいいものを。また殺す手間を取らせて、いけない子だ。」
そう言い、彼女の頬をペシペシと軽く叩き、部下に「スタンガンで動けないうちに縛り上げろ。」と命令した。
部下たちは下卑た笑いで冴を眺めながら、小さい身体を起こし、ロープできつく縛り上げる。
両手首を後ろ手に組ませしっかりと締め、さらに胸縄をきつく施し、その上脇に割縄をして締め上げ、再度両手首の縄に連結させた。
力強い拘束に、彼女は「うっ」と苦悶の表情で呻き声を出し、ただ縛り上げられていく状況に受け入れ耐える。
部下は新たなロープで太ももと足首にしっかり割縄を施し縛り上げた。
これで冴は動けなくなってしまった。
そして、別の部下はダクトテープを取り出し、冴に見せ付ける。
冴「(口を塞がれる!)い、、ぃや…。」
スタンガンのダメージのため、助けを求めようとしても、声がよく出ない。
小さいが悲痛な声だった。
そんな冴の健気な姿が可愛らしかったのか、その部下はダクトテープで彼女の頬を撫でる。
それからテープを剥がし、適度な長さに切る。と、
冴「ふむっ、、んぐぅっ…!」
いきなり他の部下が彼女の口をこじ開け、ハンカチを咥え込ませた。
大きめのハンカチをしっかりと小さい口内に押し込まれる。
喉近くまでハンカチを押し込まれ、口からはみ出たハンカチも中にしっかりと押し込まれる。
苦しがり咽せる冴の口の上から、とうとうダクトテープが貼り付けられ、貼り具合を確かめるように何度もテープをしっかり撫で付ける。
本当にしっかりと貼り付けられ、薄いが強力なダクトテープの上から、彼女の唇が少し浮き出ているようだ。
部下は満足したようにその唇をテープ越しに撫で、嫌がる冴から離れる。
冴「んっ、、んむぅ…」
テープを剥がそうとも、強力な粘着力で全くビクともせず、口を動かすこともできない。
さらに、口内に押し込まれたハンカチが舌を圧迫し、呻き声すらも満足に出ない。
強力すぎる猿轡と拘束に、冴は「もう逃げられない」と強く実感し、怯える。
昨日の胸がキュンとなる甘酸っぱい幸せな一日から一転して、心臓を鷲掴みにされるような絶望に叩き落されてしまった。
冴はガタガタと震え、涙がジワリと浮かんでくる。
冴(い、、いやっ…、誰か、助けて! 海!)
心の中で、淡い恋心を抱く海に助けを求める冴。
だが、そんな心の声など、誰にも届くはずはないのだ…。
縛られて地面に転がる冴に、再びボスが近付き、彼女の怯えが強くなる。
ボスはその場にしゃがみこむと、素早く彼女の前髪を掴み、強引に自分の顔の位置まで引っ張り上げた。
寝転がっている状態から髪を引っ張られ無理やり引き起こされ、髪の毛は当然だがグイッと引かれた首がとても痛かった。
不自由な体で何とか座り、容赦ない行為をする目の前のボスに憤り、怯えながらも懸命に隠してキッと睨む冴。
そんな表情をまじまじと眺め、ボスは彼女の顔に息を吹きつけながら言う。
ボス「フウッ くく、本当に可愛い娘だ。嬲り甲斐があるぜ。これからたっぷりと痛めつけてやるからな、覚悟しろよ、小娘!」
冴「っ…!!(い、、い、ぃや、、いやっ…!!)」
その言葉に一気に竦み上がってしまった冴は、恐怖のあまり呻き声も出せず、固まってしまった。
そんな冴の黒髪をもう一方の手でいやらしく撫で上げ、長い黒髪のさらさらな感触を、根元から毛先まで堪能する。
ボス「本当に綺麗な髪だな。トリートメントをよくしてるんだな、お嬢ちゃん。」
怯える冴に囁き、そしていきなり地面にその顔を叩きつけた。
縛られた冴は、受身もできずに顔から地面に叩きつけられ、痛がり呻く。
だがそんな呻き声も、ダクトテープに塞がれほとんど外に漏れないのだ。
ボス「よし、連れて行くぞ。今回こそは徹底的に嬲り上げて、確実に殺してやる…!」
前回殺し損ねたのがよほど癇に障ったのか、ボスは強い口調で部下に言った。
今度こそ嬲り殺される、、冴はその言動に怯え、とうとう嗚咽まで漏らしてしまう。
ヤクザに捕まり拷問を受ける、、平凡に生きてきた16歳の女の子にはとても耐えられる状況ではない。
部下の一人が、嫌がる彼女の小さい身体を軽々と腕に抱き、そばにあった大型の高級車の後部座席に押し込んだ。
窓はスモークガラスで、外からは中が見えないようになっていた。
その事に、さらに冴は恐怖が強まり、嗚咽が漏れてしまう。
後部座席の真ん中に冴を座らせ、その両サイドを挟み込むようにボスともう一人強そうな男が座る。
そして、車が発進する。
おそらくアジトに運び込むつもりなのだろう。
そこで、何の気兼ねもなくじっくりと自分を拷問し、生き地獄を味合わせた上で嬲り殺しにするのだろう…。
考えれば考えるほど恐怖が増し、嗚咽が大きくなる。
冴(どうしてこんな事に、、ほんの昨日は、海といい感じになって、あたし、とても幸せだったのに…。)
涙が頬を伝う。と、
冴「んぅっ…!」
その冷たく固い感触とガチャッという音に、塞がれた口からくぐもった悲鳴を出す。
恐る恐る顔を下に向ける。
スカートからはみ出る太ももに、ボスが拳銃を押し付けたのだ。
強めに押し付けられ、太ももの柔肌に銃の先が食い込む。
撃たれる、、恐怖が強まり身体が痙攣する。
ボス「泣いても無駄だ。お前はもう生きて帰れない。大体お前が悪いんだぞ、あの時俺らの秘密の取引の現場に来たからだ。自業自得だよ、ガキが。」
そう言われ、何とも言えない感情が沸き起こる。
冴(来たくて来た訳じゃないのに…。そもそも、アベルがあたしを苦しめるためだけに、あたしをあそこまで無理やりさらって行って、、脱出した後も、アベルに散々、怖くて酷い目に遭ったのに…。)
そう、冴は本当に何もしていないのだ。
冴(アベルはもう、倒したのに、、なのにどうして、またこんな目に、遭わないといけないの…。)
恐怖と絶望のあまり、涙がボロボロと溢れる。
絶望の感情のまま、冴は人知れず、ヤクザに誘拐されてしまった。
アジトのある一室に放り込まれてから、何時間が経っただろうか、、
小窓から差し込む陽は少しずつ位置を変え、かなりの時間が経つことを自覚させる。
冴はアジト内のある3畳ほどの小部屋に閉じ込められていた。
中は薄汚いが適度に掃除されているようで、埃はあれど破片一つ落ちていなかった。
迫り来る拷問への恐怖から、自分の拘束を解こうと必死にもがくが、このロープはどうやらワイヤーロープで、細いがとてつもなく頑強で、切断やたわみは全くできない代物だ。
拘束を解くのを諦めた冴は、せめて口の猿轡だけでも、と思ったが、このダクトテープは通常のテープよりもはるかに粘着力・持続力が強い。
いくら口を動かそうとモガモガしても、テープのしわがわずかに揺れるだけで、全く剥がれる気配なく、彼女の口にピッタリと貼り付いていた。
どうしようもない絶望的な拘束と猿轡。
やがて深い夜になり、月明かりだけの真っ暗になってしまった。
疲れ切った冴は、やがて眠りに落ちてしまった。
冴「う…」
いたぶりと恐怖で疲れ眠ってしまった冴が、やっと意識を取り戻した。
そうだ、確かヤクザに見つかって、誘拐されて…。
寝起きの頭が恐怖ではっきりと覚醒した。
さっきよりも広い部屋の真ん中にイスに座っていた。
身体を締め付けるロープの感触がない、、
すかさず体を動かそうとしたが、両手首と腰に痛みが走った。
見ると、冴は驚いた。
冴「きっ、、きゃああーー!!!」
思わず悲鳴を上げてしまった。
衣服は剥ぎ取られ、彼女が身に着けているのは、シンプルな白いブラとショーツだけだった。
さらに、ショーツの中の、陰部に何か固いものが押し付けられたいた。
何だろうと見ようとも、拘束された身では適わない。
先ほどよりもさらに細いワイヤーロープが彼女を後ろ手に縛り上げ、腰を括ったロープに結び付けられ、固定されていた。
それだけじゃなく、足首もしっかりと縛られていた。
さらに陰部に押し当てられた固いものからであろうコードがショーツの裾からはみ出て、右太ももに巻きつけられたベルトまで通っていた。
そのベルトは何か機械が施されていた。
まだ幼い冴は、これが何なのか全く分からず、さらに爆弾じゃないかと怯えてしまう。
それほど、あの時の爆弾がトラウマになっているのだ。
さっきよりもシンプルな拘束だが、やはり強力な拘束で、冴は10分もしないうちに抵抗を諦めた。
と、首に掛かったロープが気になった。
首に軽く巻きつけられたロープは、天井の梁に掛かり、そして扉付近の柱に巻きつけられていた。
明らかに、自分の首を絞めるためのものだ。
奴らの魂胆の一つが見え、怖がってしまう。
この部屋は窓一つない部屋で、明かりは天井から吊るされた豆電球一つだけの重々しい感じで、声を上げても無駄だと理解した。
第一、さっき盛大に悲鳴を上げたが、何の効果もなかったのだ。
彼女はため息をついて、大人しく座る。
だがやはり、陰部に押し付けられた固いものの存在が気になってしまう。
冴「やだ、、なんなのよ、これは。」
そう顔を赤らめていたその時、重々しい扉の鍵が開き、扉が開いた。
冴はビクッと肩をそびえ、再び怯えてしまう。
入ってきたのは、やはりボスとその部下数名だった。
ボス「気分はどうかな、お嬢ちゃん。」
自分を見下ろし聞いてくるボスに怯えながら、それを隠すようにボスを睨み沈黙する。
冴「…」
ボス「くくく、いい覚悟だ。可愛いぜ。だがその表情も、絶望に満ちたしわくちゃな泣き顔に、そして感情全てが消えた人形のような放心顔になるんだよなあ。」
と、彼女の頬をいとおしげに撫でながら恐ろしい事を淡々と言う。
その言葉に、冴は睨みながらも唇をわなつかせてしまう。
本当は怖くて泣き叫びたいはずだ。
それを必死に抑えて気丈に振舞うさまが、男たちには何とも可愛らしく見えた。
そしてボスは、すかさず小さなリモコンを取り出し、冴に見せびらかし、それから彼女の太もものベルトの機械をトントンと叩き、その指はコードを這う。
冴はその行動に怯えながら緊張して身構える。
やがて固いものを押し付けられた陰部を指差した。
冴「!! …いっ、、いや! お願いやめて!」
その行動でやっと冴は、陰部にローターを施されたことを理解する。
アベルに捕まり刑務所に入れられた時も、ローターを入れられ、散々苦しめられた。
その力は充分すぎるほど分かっていた。
怯えてイヤイヤをする冴を愉しむ様に、ボスはスイッチを入れた。
ヴヴヴヴヴヴ。
冴「きゃうっ!」
振動が彼女の女陰を刺激し、ビクンと反応してしまう。
さらにボスは、うねりを混ぜた振動に変えた。
その堪らない刺激に、抑えようとも両手は腰の位置でしっかり縛られ固定され、指だけが空しく宙をもがく。
耐え切れずボスに制止を懇願しようとしたその時、
冴「も、もうやめ、、ひああぁっ!!」
その瞬間を狙い済ましたかのようにボスがリモコンを操作し、振動が強まった。
それも少しずつではなく、一気にだったため、身体は大きく反応してしまった。
ボス「ダメじゃないか。正義のヒロインが敵に許しを求めちゃ。ん?」
そう言いつつも、相変わらずローターで冴をいたぶり続ける。
癇に障る罵倒の言葉に、冴は憤る余裕もなかった。
今度はまた弱い振動だが、巧みにオンオフやうねりを駆使し、彼女の小さい身体を嬲る。
あまりの屈辱に、冴は苦言を言おうとし、
冴「こ、、この悪魔、あっ、あああーー!!」
ローターの振動が再度激しくなり、悲鳴を抑えることもできない。
ボス「お前、自分の立場が分かってないな。クソガキが!」
強のままオンオフを駆使し、彼女をいたぶる。
冴はその度に、ビクンビクンと座ったまま身体が跳ね、苦しげな悲鳴を上げる。
ボス「好きなだけ泣き喚け。ここはどんなに叫んでも外には届かない。」
しばらくローターを駆使し、まだ幼い冴を性的に甚振った。
…どのくらい経ったろうか、やっとボスは止めてくれた。
執拗な性的暴虐に、冴は呆然自失だった。
ボスは彼女のショーツのゴムに手をかけたかと思うと、
冴「や…っ」
少しずり降ろし、恥ずかしい股間が丸見えになった。
陰部にはテープでローターがくっつけられていた。
ボス「あーあ、びしょ濡れだ。清純な女の子なんだよな、ガオホワイトさんよ?」
その股間とローターは彼女の官能の蜜で溢れかえっていた。
それを見せ付けられた冴は何も言い返せず、恥じらいに顔を真っ赤に染め、泣きべそをかいてしまう。
ビリッ
冴「いづっ!」
ローターのテープを思い切り剥がされ、股間に走る鋭い痛みに顔を歪ませる。
外したローターをボスはまじまじと眺め、匂いを嗅ぐ。
冴(やだっ、、そんなにしないで…!)
自分の蜜がたっぷりついたローターを観察され、匂いまで嗅がれ、冴は恥ずかしくて仕方なかった。
そしてボスはその愛液をいやらしくベロリと舐め上げ、
ボス「ああ、堪らない味だ。こんなガキでも、女なんだな。」
冴「いやっ! やめて、もう言わないで!」
たまらない行為と台詞に、冴は恥ずかしさに我慢しきれず、そう叫び、咽び泣く。
そんな姿を堪能しながら彼女の太もものベルトも外し、入り口にいた部下に命じる。
すると部下は、そばの柱に括りつけられていた柱を下に引っ張った。
冴「ぐぅっ…!」
彼女の首に掛かったロープが一気に細い首に締まり、苦しみに喘ぐが、そんな暇も無くさらにロープは上に引かれる。
彼女は縛られた不自由な足で慌てて何とか立ち、ロープの締め付けから逃れようとするが、それでもロープは上に引っ張られる。
小柄な冴はすぐに爪先立ちになり、足をぶるぶると震わせて首絞めにもがく。
だがそんな必死の抵抗をあざ笑うかのように、目の前のボスが彼女の足元にしゃがみ、剥き出しの足をふくらはぎから太ももにかけ、つつぅーっと撫で上げた。
おぞましい感触に、たまらず足が震えてしまいバランスを崩しそうになるのを何とか堪える。
ボス「頑張るじゃないか、お嬢ちゃん」
そう言いながら彼女のお尻をショーツ越しに撫でる。
冴「くっ、おおおぉ…!」
愛撫のおぞましさ、それに苦しさと悔しさが入り混じった、何とも悲痛な呻き声を出した。
死ぬのかな、、死を意識したその時、ロープの締め付けが若干弱まった。
部下はそのまま再度ロープを固定し、冴を軽い爪先立ちの状態を強制した。
若干弱まったとはいえ、喉を絞めるロープの苦しさに、冴は苦悶の表情だ。
少しでも足の力を抜いて爪先立ちをやめたら、容赦なく窒息してしまう。
足をぶるぶると震わせて耐える冴。
そんな冴の無残な姿を目の前で見るボス。
爪先立ちした冴でもまだボスの背には大分足りず、いやらしく見下ろすボスに冴は怯える。
冴(こんな事して、、あたしをどうするつもりなの…?)
ボスはいやらしく笑い、彼女の怯えを煽るように囁く。
ボス「これから俺のペットを紹介しよう。特別に調教した特性だ。きっとお嬢ちゃんも気に入ってくれると思うよ。」
冴(ペット、、調教、、? いやっ! 何する気!?)
恐ろしい責めをされることに気付き、恐怖が強くなる。
ボスが入り口付近まで後退する。
と、冴のちょうど真上の天井が開き、そこからボトボトと何か細長いものがたくさん落ちてきた。
首絞めの不自由な体勢で下を見た冴は、それを見て驚きに目を見開き、
冴「んぐぅう~~!!」
恐怖のあまり、首絞めされた喉から悲痛な呻き声を上げた。
それは、蛇だった。
細めの体長80cmほどの鮮やかな模様の蛇が10体近くいて、彼女の足元で蠢いていた。
いつの間にか入り口にいたボスが言う。
ボス「驚いたか? これは、俺が精製した蛇さ。通常と違って、女の体液をえさにするんだ。全身汗だくで、アソコからいやらしいお汁を漏らした冴ちゃんの身体は、いい苗床になるだろうな。」
それを聞いて、さらに恐怖が強まった。
年頃の女の子らしく、蛇は苦手だった。
それがこんなに、しかも鮮やかな模様がさらに恐ろしい。
その上、自分の体液を舐める、、と言うことは、自分の身体を這い上がってくる、と言うことなのだ…。
そんな事をされたら、冴はもう発狂してしまうかもしれない。
案の定蛇は彼女の体液を求めて、怯える彼女の足元に寄ってくる。
慌てて冴は、避けようとさらに爪先立ちになり、身体を振り回す。
爪先立ちがつらいだの、首締めが苦しいだのと言う次元をとっくに超えた恐怖だ。
だが、あがく冴を抑えるように、ボスが念を押して言う。
ボス「おい、あまりじたばたしない方がいいぜ。こいつらは普段は大人しいが、毒蛇だ。」
冴「!!!」
冴は身が凍ったような思いだった。
ボス「下手に刺激したら、こいつらも興奮して噛み付くぜ。そうしたら、猛毒でお前は助からない。死にたくなかったら、大人しくするんだ、いいな!」
絶望的なことを言われ、冴は瞳から涙をぽろぽろと流してしまう。
その表情は、「やめて」と懇願しているように弱々しかった。
さっきの凛々しさは、毒蛇への恐怖で完全に吹き飛んでしまっていた。
だがボスは、そんな冴に冷酷に言う。
ボス「くく、その涙も蛇の格好のご馳走だぜ。じゃあ、愉しんでろよ。死ななかったら、また来てやるよ。」
そう、ボスは元々冴を殺す気なのだ。
甚振って苦悶の反応を愉しむのも目的だが、その結果死のうが構わない。
そう思い知った冴は、絶望に打ちひしがれるが、その思いもすぐに目の前の恐怖に打ち消される。
冴(ひいっ!!)
蛇が彼女の生足に触れて、這い上がってきたのだ。
ズル、ズルズル、、
少しずつふくらはぎを巻き這い上がっていく数匹の毒蛇のおぞましすぎる感触。
抵抗をするわけには行かない。
そんな事をしたら、たちまち噛み付かれる。
冴(やっ、、やだっ…助けて、、誰か…!)
縛られた不自由な身では避ける術もなく、そのまま噛み殺されてしまうだろう。
蛇は太ももに到達し、1匹は内腿に這い、明らかに股間の愛液を狙っている。
冴「うっ、、ぅ…っ!」
おぞましい恐怖に、泣き顔でしわくちゃになり、可哀想な嗚咽が漏れる。
足に絡みつき、いやらしく這い上がる感触、しかもそれは人の手ではなく、毒蛇なのだ。
16歳の少女には、もはや耐え切れる許容範囲をはるかに超えている。
そして、内腿の蛇の頭がショーツに入り込む。
怯える冴だが、さらに後ろの1匹もショーツに入り込みお尻を這う。
熱のこもった穴をショーツに覆われたそこは、湿気の塊で、この蛇の格好の餌食だった。
冴「うくうっ!」
さらに、この蛇たちはそれぞれお尻の谷と股間の愛液を、細い舌でチロチロと舐め上げ、溜まらず冴は悲鳴を漏らす。
何とか抵抗は我慢できたが、その間に、全ての蛇が彼女の足首にまとわり付き、這い上がってしまう。
あまりの汚辱と恐怖に、冴は全身脂汗を流す。
しかしそれが蛇たちのいたぶりを助長させた。
足を這い上がっていただけだった数匹の蛇は、その脂汗を舐め上げながら這い上がる。
新たなおぞましい感触に、またも脂汗を流してしまい、さらに蛇の愛撫を助長させる。
冴「うぐ、、ああぁっ…!」
汗を抑えることなど、こんな状況では冴は出来るはずがない。
それどころか、いつ失神してもおかしくない状態なのだ。
もはや抗うことは考えられず、ただ怯えるだけになってしまった。
1匹が内腿、2匹が股間、2匹がお尻を嬲っている間、もう4匹がじっくりと腰を越え上半身を這い上がってきた。
全身の汗をチロチロと舐めながら。
細い柔肌に絡みつき、脇腹や背中や腹を撫でながらゆっくりと上に這い上がる蛇。
下半身の甚振りに耐えながら、ただ辛抱するしかなかった。
2匹が胸に到達し、ブラの隙間から乳房に潜り込み、舐め回した。
運の悪いことに、そのうちの1匹は、乳首の辺りを舐めてくるのだ。
冴「うっ、、あぁぁあ…!」
ショーツとブラの中、敏感な女性器を舐め回す毒蛇たちの感触に、おぞましすぎて身を震わす。
もう2匹は彼女の浅い胸を越し、鎖骨を舐め、首筋を舐める。
さらに、すでに急所を舐め上げていた蛇の舌が、乳首とクリにクリーンヒットした。
思わずビクンとし、だが噛み付かれる恐怖から、必死に官能に耐え身体を固まらせる。
今の反応で蛇が噛み付きやしないか、と竦みあがった。
あまりの緊張に呼吸が止まり、身を固まらせる思いだ。
が、何とか大丈夫だった。
だが相変わらず愛撫は続き、安心する暇は無かった。
そして、最後の2匹が首筋を這い上がり顔に到達した。
冴「あ、、あぁ…(いやだっ!! 怖いよぉ…!)」
動物園でケージに入った蛇を見ただけで怯える冴だ。
それが今回は自分の体を直接這い上がる、間近でおぞましい毒蛇が見え、今まで以上の恐怖に打ち震え、身を痙攣させる。
目の前に毒蛇が這って、自分を舐め上げているのだ。
と、1匹の舌が彼女の唇に触れた。
ハッとした冴は、すかさず恐怖で半開きだった口をキュッと結んだ。
だがもう遅い、狙いを定めた蛇は彼女の唇を執拗に撫で、こじ開けようとする。
冴「ん、、んんっ…!」
蛇の舌の気持ち悪い感触が適度に湿った唇に、好きな男の人に捧げる為の大切な唇に、確かに舐め上げていた。
酷すぎる現実に、さらに涙が溢れる。
だが最後の1匹が、その涙を舐め上げた。
涙に濡れた頬を直接舐められ、何ともいえない屈辱がする。
唇を攻撃する蛇は未だ諦めず、体の尾で首筋を撫で、彼女の顎の力を抜こうとしている。
冴はもう限界寸前に追い込まれていた。
本当にこの蛇たちはしっかり調教されていて、今までも何人の女性たちを嬲ってきたのだろう。
その時、股間を嬲っていた蛇が陰唇を一気に舐め上げはじき、同時に中から愛液が溢れ出て、彼女は軽く逝った状態になった。
冴「かはぁっ!」
その衝撃でたまらず冴は喘ぎ、声を漏らしてしまった。
その吐息を浴びた蛇は、口内の湿気を敏感に感じ取り、恐ろしく素早い動きで彼女の口内に潜り込んだ。
冴「あふっ、、うぅ~~!」
口内に毒蛇が入り込む、、あまりに凄まじすぎるこの状況に、とうとう冴は泣いてしまった。
口内の蛇を思い切り噛み切ろうと思ったが、もし撃退できず逆に口内を噛み付かれたら、、そう思うと怖くてとても出来ない。
彼女は蛇を軽く咥え、蛇の為すがままになった。
内腿を嬲る蛇は、腿に巻きつきショーツから溢れた愛液を舐め上げる。
股間を嬲る蛇2匹は、愛液の源泉を丹念に舐め上げる。
お尻を嬲る蛇2匹は、溝に舌を突っ込み舐め上げ、1匹は溝の下に這い行き、股間の愛液を舐める。
胸を嬲る蛇2匹は、1匹は乳房に巻きつき締め上げながら乳首を舐め、もう1匹は脇腹に絡まり逆の乳房を舐める。
頬を嬲る蛇は、惨状に涙が止まらない冴の涙を舐め上げ、時折耳の穴をいじる。
口内を嬲る蛇は、首筋に巻き付いたまま、口内に潜り込み、中の粘膜を丹念に舐め回す。
計9匹の蛇たちは、彼女の全身の敏感な部分を飽きることなく舐め回し、彼女に官能と屈辱を味あわせ、彼女は噛み付かれる恐怖から、大人しく身を震わせて受け入れる。
冴(お、、お願い…、夢なら、、早く覚めて…! お願い、もうたくさんよ!!)
彼女が諦めかけたその時、急に蛇が何か反応し、一目散に彼女の身体を這い降り、目の前のケースに戻った。
その後ろには、ボスがいた。
ボス「このケースには、女の愛液がたっぷりと入れてあるんだ。熟成した女のな。小娘程度の愛液なんか、見向きもしなかったな。くひひっ!」
首のロープがほどかれ、縛られた冴はガクッとその場に力なく倒れた。
冴は、ボスの罵倒に悔しがることも出来ずに、酷過ぎる恐怖から解放された安心感に、フッと意識を失った。
次に目を覚ました時、拘束は全てほどかれ、目の前にはボスがいた。
今までの陵辱を思い出し、冴は怯えて後ずさる。
抵抗する気力も起きなかった。
そんな弱々しい姿の冴に、ボスは彼女の衣服を放り投げた。
ボス「着ろ。」
一言そう命令される。
命令に従うのも悔しいが、下着姿の恥ずかしさを見れば、着た方がましだ。
冴はもどかしくも元通りシャツとスカートを着た。
冴「ど、、どうする気なの…。」
服を着て、少しは調子を取り戻したか、怖がりながらも気丈に話すようになった。
そんな凛とした姿に満足して眺めるいやらしい目つき。
そんな目つきに冴は羞恥と嫌悪感に身を震わす。
胸とスカートを庇う体制になり、何ともたまらない姿だ。
すると、ボスは紹介したいものがいるという。
誰だろうか、、不安げに成り行きを見守る冴。
と、そのものが出てきた。
冴「なっ…!」
そのものは、明らかに人間じゃない、オルグだと冴は気付いた。
身体は棘の生えたツタに覆われた滑稽な姿だが、確かに角が生えていた。
冴「オ、、オルグ…?」
ボス「ほう、さすがだなガオホワイト。一発で看破するとは、くくくっ。」
冴「どっ、どういう事よ! あなた達人間が、どうして敵であるオルグに…っ!?」
ボス「お嬢ちゃんの考えは固いんだよ。オルグの強力な力、これを利用しない手はねえぜ。おかげで、俺はたった1年で関東屈指の勢力にまで上り詰めた。やがては関東、日本を支配し、アジア圏をも支配下においてやる。」
冴「く、、狂ってる…。そんな、、」
ボス「そのための前座として、まず大河冴。お前を血祭りに上げてやる。ツタオルグ様。。」
そのオルグは、ツタオルグという。
おそらくツタで攻撃する戦闘スタイルだろう。
こいつと戦うというのだ。
どうしよう、、誘拐時にやはりGフォンを奪われ、変身もできない冴は、生身で戦うしかない。
自分の倍はあろう大きなツタオルグと退治し構える冴。
長時間の辱めで、身体は疲弊しきっていた。
その上変身できない冴は、ボスにも遠く及ばない。
それがツタオルグと戦うなど、敵うはずなかった。
だが、やるしかないと決意した。
これ以上酷い目に遭うのは、もうたくさんだった。
その間も大柄のツタオルグは、怯えながらも何とか抑えて構える目の前の小さな冴に近づく。
冴は、もはや死ぬ覚悟でツタオルグに突進する。
ツタオルグはその突進を軽くかわし、彼女の頬に強烈な平手打ちをした。
冴「きゃっ!!」
その威力は痛烈で、彼女の小さい身体は吹っ飛び、受身も取れずに転んでしまった。
頬がジンジン痛む。
桁違い、、はっきりと思い知り、足が竦むが、諦めたくなかった。
勇気を振り絞ってツタオルグに迫り、、
だがその時、ツタオルグは体から太いツタを飛ばした。
それはあまりに素早い動きで、冴は避ける暇もなかった。
ツタの先は彼女の華奢な鳩尾にクリーンヒットした。
冴「ぐぅっ…!!」
胃液が逆流すような吐き気に襲われ、その場に倒れて起き上がれなかった。
吐き気がおさまらず、しばらく呼吸もままならずその場でのた打ち回る。
何とか呼吸が落ち着いてきた時、真上からツタオルグに覗き込まれる。
ツタ「弱っちいな、ガオホワイト、いや大河冴。」
そう罵倒され、倒れたままツタオルグを見上げ、キッと気丈に睨む。
だがダメージで、もはや身体は動けなかった。
そんな冴の健気な抵抗にツタオルグはフッと笑い、素早くツタを出した。
冴「うぐっ…!!」
再び鳩尾に当身を食らわせられ、冴はそのまま気を失った。
ボス「さすがです、ツタオルグ様。」
ツタ「さて、約束は守ってもらうぞ。この娘は俺がいただく、と。」
ボス「もちろんでございます。」
ツタオルグは満足げにツタを彼女の身体に巻き付け抱え、部屋を移動した。
冴「ん…」
またも気絶させられた冴はやっと目を覚ます。
自分の異常な状態にすぐに気付き、すぐさま覚醒した。
冴「!!? な、、何なの、これ…」
部屋の隅にツタの山があり、そこにもたれ掛かる格好で、たくさんの太いツタで身体を無造作に巻かれ、その場に固定されていた。
何とも異様な光景であり、すかさず自分の身体に巻きついたツタを外そうと、腕を動かそうとするが、、
冴「いだいっ!!」
動かした腕に押し付けられたツタに生えた棘が刺さり、血が出る。
冴「くっ! うっ、、あ、痛いっ!!」
痛みに耐え、それでも何とかほどこうと抵抗するが、無駄だった。
身体に巻かれたツタは、無造作だったが実はかなり巧妙な巻き方で、彼女が身動きするたびに棘がその柔肌に刺さるようになっていたのだ。
ミニスカートに薄いシャツという夏服は何の防御にもならず、彼女の玉の肌を容赦なく傷つけていく。
もがいても、棘が刺さって痛むだけ。
なんとも容赦のない残酷な拘束だ。
冴「酷い…(こんな、、女の子の体を、あいつらは何だと思っているのよ…)」
憤る冴は、身動きをとれずその場で大人しくするしかなかった。
と、入り口の扉が開き、ツタオルグが入ってきた。
ツタ「よう、生きてたか。」
ツタオルグの強さは重々思い知っている。
その上自分にこんな酷い拘束を施して、一体どうするつもりなのか。
彼女は溢れる恐怖を懸命に耐え、戦慄く唇を何とか動かして聞く。
冴「あ、、あたしを、どうするつもり、なの?」
ツタ「俺は、一度戦いに敗れ、オルグから追放された。」
と、冴の質問とは違ったことを話す。
捕らえられた今、下手に止めたりしたら、また痛い目に遭うかもしれない。
黙って聞いてみる冴。
ツタ「俺は力を上げ、オルグに戻るのだ。そのためにヤクザと手を組んだ。」
冴「ど、、どういうこと…?」
ツタ「力を上げるには、人間の女が必要なのさ。だが普通の人間では弱くてな。多くの数が必要だが、わざわざそんな多くの女をかっさらったりしたら、さすがにオルグたちにバレて、刑罰を与えられてしまう。ヤクザなら、自然にたくさんの女が手に入る。だから手を組んだのさ。」
何とも身勝手で不条理な話だろうと憤る。
だが、女が必要、と聞いて、さすがに冴は怯えを隠せなくなった。
という事は、捕らえられた自分も、ツタオルグの肥やしになってしまうのだ。
恐れ慄く心を何とか抑えて声を出し、冴はもう一度、ツタオルグに恐る恐る聞く。
冴「あたしを、、どうするつもりなの…?」
その瞳はもはや涙に潤んでいた。
怖くて怖くてしょうがないのだ。
そんな幼い少女を眺めながら、ツタオルグは淡々と言う。
ツタ「お前の血を絞り取るんだよ。お前ぐらいの若い娘の血は特においしくてな、一番力になる。さらに、ガオホワイトなら格別だろうて。一気に力が上がるだろう。そしてガオホワイト。お土産にお前の死体を献上すれば、オルグに戻れる。」
冴「!!…い、いやっ、、いやあぁーーっ!!!、いだいぃっ!!」
あまりの恐怖に竦み上がり、思わず抵抗してしまったが、身体に巻きつくツタの棘が柔肌に突き刺さり、血が噴き出す。
あまりの痛みに、冴は歯を食いしばる、それでも痛みは小さい身体を駆け巡る。
もう血は止まらず、ボタボタと溢れる。
ツタ「好きなだけ暴れろ。その方が血が搾り取りやすくなるからな。ま、小娘の非力さじゃ絶対にツタは振りほどけねえがな。」
冴「くっ…!(やだ、、そんなのいやだっ、、いやだよう! 助けて、誰か!)」
心の中で悲痛な懇願を、助けを求める。
だが、誰も助けに来てはくれない、と思ったその時。
部屋が小さく振動し、同時に隅の非常線が鳴り、困惑気味に受け取るツタオルグ。
ツタ「なにぃ!? 侵入者だと! 何者だ!? 何っ、ガオレンジャー…?」
その言葉に、冴は希望を取り戻した。
冴(皆、、海!!)
だが困惑したツタオルグは、すぐに冷徹に微笑み、それを見た冴は再びビクつく。
ツタ「もうツタの拘束はこの場から外せない。大丈夫だ、この部屋はそう簡単に見つかりやしない。その間に、この娘の血を全部絞り取ってやる。」
その言葉に、冴は言いようのない恐怖感に襲われる。
冴(死にたくないよ…)
切にそう思い、皆の助けを求めた。
だが血はどんどん溢れ、ツタに染み込みツタオルグの肥やしになる。
そしてツタオルグは、どこからかダクトテープを取り出し、いきなり無造作に彼女の口を素早く覆い、貼り付けた。
避ける余裕もなく、ダクトテープはしっかりべったりと彼女の口を塞いでしまった。
冴「んぅ~~」
ツタ「ガオレンジャーのやつらに見つからないように、お前には少し黙っていてもらうぜ。」
彼女の口のテープの貼り具合を確かめるように、テープを強めに撫で付け、彼女を巻き付けるツタに向かい構え、何か力を込める。
冴は怯えながらも、何だろうと怪訝な顔で眺める。
すると、そのツタは
ギュウッ
冴「んっ!?、むふっ…!!」
彼女の体にツタがさらに強く巻き締め、そのせいで棘が刺さり、いたいけな体のあちこちから血がさらに溢れ出る。
体を締め付ける図太いツタ、さらに体中に刺さるいくつもの棘の鋭い痛みに、冴は悲痛な顔で悶える。
ツタ「じゃあな、お嬢ちゃん。」
そう言い、テープ越しに唇をつつーっと撫でて、その部屋を後にした。
ツタオルグがいなくなった。
冴「むふうっ、、んむぅ~~~」
取り残された冴の血はどんどん抜き取られ、ツタを伝ってどこかに運ばれていく。
塞がれた口で必死に呻き声を上げる冴だが、やはりこのダクトテープはびくとも剥がせないし声も出せない。
だがこうしている間にも、血はどんどんなくなっていく。
冴は貧血から頭がボーっとしてきた。
冴「ん、、んぅう、、、(いや、死にたくない、、皆、早く、、助け、て…)」
無駄だと分かりながらも健気に呻き声を出し続けるが、もはや限界だった。
意識がなくなりかけた、その時だった。
ドガアッ!
施錠された分厚い扉が破られ、着いたのはブルーだった。
青「冴! 助けに来たぞ!」
冴「んん、、(海、、よか、った…)」
意識が朦朧としてきた。
ブルーは冴が危険な状態なのを察知し、強力な武器で素早く彼女を拘束していた多数のツタを破壊していった。
…拘束が解け、その場に倒れる冴。
すかさず変身を解いたブルーが抱き上げ、口を塞いでいたダクトテープを慎重に剥がしてやり、
冴「うっ…ケホッ、ケホッ、ケホッ…」
呼吸の自由すら奪っていたダクトテープの猿轡を剥がされ、大きく息を吸って咽せた冴。
海「冴! もう安心だぞ、ツタの化け物も俺らが倒した。ヤクザも制圧した。もう助かったんだからな! おい大丈夫か!?」
と朦朧としている冴を必死に励まし呼びかける海。
冴「あ、、ありが、とう…。」
小さくそう呟いて、意識を失った冴。
海「冴!? 冴、おいしっかりしろ!」
冴は深い眠りにおちた…。
それから1ヵ月後、冴は海の献身的な介護のおかげで、見る見る身体を回復させた。
運び込まれた時は、全身傷だらけで血が足りず、完全に弱りきって瀕死の状態だった。
そこで、何と海が自分の血を分け与え、輸血を行ったのだ。
幸い海と冴の血液型は同じだったのだ。
そのおかげで冴は、奇跡的な回復を遂げれたのだ。
今回の事件は、アベルの復讐の派生で発したようなものだった。
アベルの復讐の残り火、そんなものだったのだ。
復讐からは、何も救われない、、冴は切にそう思った。
けど、結果助かった、いや助けてくれた。
冴はあんな酷い目に遭ってきたにもかかわらず、自分は本当に幸せ者だ、と実感した。
自分の周りに、あんなに頼もしい、温かい、そして大好きな人たちがいるのだから…。
冴は、ふとユウリの事も気になったが、あの人なら大丈夫だろうと思った。
そして今日が退院の日だ。
退院した冴に付き添ったテトム。
まだ完全回復じゃない冴を気遣いながら、一緒に病院を出る。
少し過保護な気もしたが、それ以上にテトムのその優しさが素直に嬉しい。
と、そこに海の姿が。。
冴「あ、、海!!」
気付いた冴は退院したばかりの身体で海の元へ走り、嬉しさいっぱいに海に抱きついた。
戸惑いながらも、それでも冴の小さい身体を受け止め、しっかり抱き寄せた。
温かく、心地よい香りだった。
冴も、そして海もそう思った。
海は、自分も冴が好きなんだと、自覚したのだ。
腕の中で抱きしめる冴に、その思いは確信になった。
海「おかえり、冴。」
そう言われ、冴は顔を上げて幸せいっぱいの笑顔を見せ、
冴「ただいま!」
と元気いっぱいに答えた。
今日もいい天気だった。
≪終≫