4.逃走と取引
【嬲られた少女】
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ、、
アラームが鳴り、Cが起きた。
傍にいる雪子は、無事に緊縛されたまま静かに眠っていた。
目覚める様子もなく、泥のように眠っている。
よっぽど疲れたのだろう。
Cは少女の頭を撫で、起き上がった。
もう少し寝かせてやろう。
掛け布団だけ回収すると、Cは携帯メールを確認する。
あと15分ほどで仲間が帰るらしい。
ちょうどいい。
……
そして、すぐにA達が帰ってきた。
何故かAが機嫌が悪いような…。
「ど畜生がっ!!」
そう言って段ボール等を蹴る。
何かあったのかと女に聞くと、AとBがこれからの計画について、衝突したらしい。
Bもどこか機嫌が悪そうだった。
(またか…。ったく、いつもそうだぜ。くだらない事で衝突して、特にAさんは暴力で迷惑かけてくるから、余計タチ悪いぜ。)
Cも充分タチ悪いが、Aの荒れようは半端じゃない。
「あ~、イライラするっ。おいっ、人質は大人しくしてたか!?」
「はっ、、はい。今、疲れて眠っています。」
何とか返事するC。
するとAはさらに機嫌が悪くなり、
「寝てるだあ? 捕虜のくせにいい御身分じゃねえか! 俺達がさんざん苦労してるってのによおっ!」
等と滅茶苦茶な理屈をこねて眠っている少女にズカズカと歩く。
「あっ、、Aさん!」
さすがにCは止めようと思ったが、無駄だった。
「おい、起きろクソアマッ!」
少女の胸倉を掴み、無理やり引き起こす。
「んうぅっ!?」
乱暴な起こし方をされ目を覚ました少女は、目隠しされたまま乱暴なAに震えていた。
「いい御身分だなあ、捕虜のくせによ。俺達が苦労している傍でグースカ寝やがって、、ええっ!?」
「んん…っ!(そんな、、好きで捕虜になったんじゃないわ! 無理やり誘拐したのはあんた達じゃない…っ。それに、散々嬲り物にしといて、疲れきってるのに眠るなだなんて、酷過ぎるっ)」
しかし、少女がここで性拷問を散々受けていた事は、ずっと外にいたAとBには分からない。
目隠しと猿轡で少女の表情は見えないが、きっと理不尽な物言いに憤っているのだろう。
「おら、こっちに来い! 罰を与えてやる!」
Aが少女の足首の縄をほどくと、鎖を取って少女を連行する。
肩を抱き、尻を蹴り、痛がり呻く少女を、外へと連れ出す。
少女はやはり股間の強力な性具の異物感にもどかしげに震える。
その様子を見ていたCは、慌てる。
「おいおい、何するつもりだ?」
雪子を連行したAは、外にある柱まで運んだ。
柱を背に少女を立たすと、Aは彼女を柱に押さえつけた。
Bが鎖を持ってきた。
Aが少女の目隠しを外した。
もう夕方で、当りも薄暗くなっていた。
目が慣れてきた少女は、山の中である事に今更ながら驚いた。
(ど、、どこなの、ここ?)
しかし今はそれどころではない。
Aは少女の背を後ろの柱に押さえつけ、Bから鎖を受け取った。
「んんっ!?(まさか、、鎖であたしを縛り上げる気? いやっ、そんな物で縛られたら…)」
少女は力いっぱい抵抗した。
しかし力では男たちには敵わず、びくともしなかった。
それでも抵抗した。
鎖が容赦なく小柄な女の子の体に食い込んでいる。
この男たちは女の子にも容赦はないため、思いっきり締め上げるだろう。
鎖でそんなことをされたら、まずこの華奢な体は持たないだろう。
「おいあがくな! おい、B!」
しかしそんな彼女の努力も敵わず、Bは彼女に当て身を食らわした。
「うぐうっ…」
少女は力無く呻き、そのまま力が抜けてしまった。
「手のかかるガキだぜまったく…、大人しくしてろ。」
Aは容赦なく彼女を鎖でグルグル巻きにした。
肩から胸の上下、お腹、腰、太股、膝、足首の先までぐるぐる巻きにすると、ぎりぎりと締め上げた。
鎖の先と先を胸の少し上でぎゅうっと結んだ時は、鎖が体中に食い込み、少女は痛みから悲鳴を上げた。
「ううっ!! んーっ、んーっ!(痛いっ、痛いよ! お願いほどいて。)」
しかしその言葉は口に施された猿轡でくぐもった声にしかならなかった。
とても抵抗できなかった。
ただただ言葉にならない小さな悲鳴を上げるしかなかった。
そんな少女を尻目に、男達は小屋へ入っていった。
少女は外の柱に鎖で縛り付けられたまま、放置されてしまった。
「んっ、んんんーー…!」
山奥の静かな所で、少女の悲鳴だけが聞こえた。
そんな状態は日が沈んでからも続き、結局夜明けまでそこに縛り付けられた。
幸い、気になる股間の器具はそのままで、動く事は無かった。
けど、少女は放置されている間中、器具の恐怖に震えていた。
いつ動き出して自分を苦しめるのか…。
実際にCは、少女を辱めた事をAにバレない様にするため、Aの拷問中は器具で辱める事はしない事にしたのだ。
AとBには「触るだけにしとけよ」と命じられていたため、拷問がバレたらまずかった。
山の中の夜はとても冷え、疲れ切った少女は身動き一つ取れず、体が冷えていく。
(ひ、、酷い…。一体、、いつまで…。)
寒さにブルブルと震える。
半袖の薄いブラウス、それも胸部とお腹の素肌は露出され、膝上丈スカートの下は生足。
そんな格好で、緊縛され身動き一つ取れない状態では、寒さをしのげず冷えていく。
……
夜が明けて、男たちが出てきた。
「気分はどうだ。」
雪子はゆっくりと顔を上げて、ガタガタ震えだした。
「相当参ったようだな、所詮ガキはガキだ。」
それを聞いて、少女は気力を取り戻したように、男たちをキッと睨んだ。
「へえ、案外気が強いんだな。また昨日みたいにピーピー鳴かしてやりてーぜ。」
Aはそう言うと、少女の顎を掴み、鼻と鼻がくっ付くぐらいに顔を近づけて睨んだ。
「うう…っ」
少女は少し根負けしたような声を出した。
「さあ、戻るぜ。」
Cは鎖をほどくと肩に担いだ。
少女は部屋の中の、元の場所に寝かされた。
無論、首輪の鎖は繋がれた。
AとBとCは準備のため外へ出かけ、中には少女と女が残された。
もはやこの女には何の安心感も感じず、恐怖に身を震わせる。
「さ、朝ご飯あげるわ。 今日は栄養ゼリーだけだけど、我慢して食べなさいよ。」
「うぅーーーん(そんなっ、、それだけ? お腹空いてるのにっ…)」
嫌々と首を振って呻き、お腹が空いてもっとまともな物を食べたい事を知らせる。
それほど体は疲弊し、お腹ペコペコだったのだ。
「我慢なさい。あれ程たっぷり性拷問を受けた上に、一晩中寒い外に縛り付けられたのよ。今まともな食事なんて、胃が受け付けやしないわよ。」
そう言って、2本の栄養ゼリーを取り出した。
(散々拷問したのは、、あんた達じゃない…!)
そう毒付きたいが、今のボロボロな状態で逆らってあの酷い辱めを受けたら、、
昨日の女からの残酷な辱めを思い出し、少女は大人しく従った。
女が少女にきつく施された猿轡を外した。
「ぷはあっ、、はあっ、、はあ、、」
息苦しさから呼吸が落ち着いてきた頃を見計らって、女がゼリーの口を少女の唇に押し付けた。
「っ…!」
無遠慮に唇を突かれるのは屈辱だった。
それに、自分で食べられないのが何とも不快だ。
(けど、後ろ手に縛られてちゃ、どうする事も出来ないわ、、仕方ないか…)
女は昨日のように、前手に縛り直してはくれなかった。
「ほら、早く飲みなさい。」
そう言われ唇を突っつかれると、おずおずと口を開けてゼリーの口を含み、ゼリーを吸った。
お腹が空いていたので、一気にゼリーを平らげようと思った。
「ちょっと、、少しずつになさい。詰まるわよっ」
構うもんか、と食欲のまま吸っていた少女だったが、突如吐き気に襲われた。
「んッ…ぐ…! ゲホッ、、ゲホッゲホッ、、」
咽て、盛大に咳をしてしまった。
喉が詰まったわけではない。
体の中が痙攣したかのような感覚だった。
「だから言ったじゃない。度重なる甚振りで、あなたの体力は限界まで絞り取られたのよ。普通の食事なんて、胃が追いつかないわよ。」
「……(そんな、、あたし…どうなっちゃうの…?)」
胃がおかしくなるまで残虐に嬲り尽くされた事を思い知った少女は、再び犯人達への恐怖と絶望感が増す。
再び女は、ゼリーの口を再び少女の唇に押し付けた。
「さ、ゆっくりでいいから飲みなさい。」
今度は女の言う通りに、ゆっくりとゼリーを吸った。
確かにこれなら、胃の拒否反応は無かった。
二つ目のゼリーも、同様にゆっくり吸う。
少女は、ゼリーを飲みながら、傍でゼリーを与える女を見つめた。
(看護婦さんみたいな人ね…)
とてつもない残酷な責めを展開する残虐性を持ちながら、弱った人を介護する一面も持っている。
何とも複雑な思いだった。
ゼリーを全て平らげ、思いのほかお腹が満たされた少女は、尿意を催した。
(そう言えば、昨日のお昼以降、トイレに行ってなかったっけ…。)
そう考えていると、手拭いの瘤が少女の口に、、元通り猿轡を噛ませる気だ。
「んむ、、ま、ふぁっふぇ! グォイフェに…」
そう言うと、女が少女の猿轡を外した。
ホッとした少女は、女に頼んだ。
「トイレに行きたいの。」
「分かったわ。」
とりあえず女は少女に猿轡を噛まそうと唇に手拭いを押し当てる。
すると少女は慌てて、
「すぐに行きたい! 我慢できないのっ」
この状況下で同性相手とはいえ恥ずかしい言動だったが、仕方ない。
この人たちの猿轡は強力すぎて声を出せないだけじゃなく、呼吸まで苦しくなるのだ。
それに、口の中いっぱいに猿轡の手拭いを咥えさせられる、噛まされている、というのは何とも屈辱的だ。
そんなのもう嫌だった…。
「分かったわ、行きましょう。」
女は首輪の鎖をほどいて持つと、少女をトイレに引っ立てた。
……
スッキリとトイレを済ませた少女は、女に連れられた。
さっきトイレに入った時に気付いたが、体が臭う。
昨日の昼拉致されてから、走ったり嬲られたり放置されたりで、汗まみれで泥や埃に汚れ、愛液が溢れ、何とも言えない女の匂いが沸き上がっていた。
毎日欠かさずお風呂に入っていた少女にとっては、自分のこの状態は不潔で嫌だった。
(気持ち悪い、、お風呂に入りたい…。)
清潔な少女には切実な願いだった。
女に連行され、元の部屋に入ったその時…。
ヴィイイーーーーン、、
「ひああああっ!!?///」
何といきなり、股間の器具が振動を始めたのだ。
かなりの強さだ、3段階だろうか。
振動の強さにローターはピョコピョコと膣内で暴れまわり、少女を悶えさせた。
さらに、クリトリスリングも振動し強烈な刺激を少女に与える。
「な、、何よどうしたのよ!?」
女は訳が分からないと言う風に困惑した。
おそらくCが器具を施した事を知らないのだろう。
しかしあまりの刺激の強さに、少女は喋る事ができず、出るのは喘ぎ声だった。
たまらず少女は太ももをすり合わせ、振動を少しでも抑えようとしたが、余計に響くような振動になり、意味がなかった。
まだ媚薬効果も僅かに残っており、疼噪感が残っていた体は、一気に高みに追い上げられる。
さらに膣内を暴れるローターは、Gスポットまで到達する。
「うふわぁああーーーっ!!!///」
亀のように丸まり内またで震える格好の少女に、股間に何かあるのかと感づいた。
「股間を見せなさい!」
そう言うと少女を押し倒し、しゃがみ込んだ女は内またでくっつきあわされた太ももを引き離し、愛液が染みるショーツを脱がせた。
絶頂はほぼ同時だった…。
「いやああああーーーーっ!!!//////(イクウゥゥ…っ、見ないでえっ!!)」
正に女の目の前で、少女は潮を吹いて昇天した。
潮は勢いよく飛び散り、女の服にもかかった。
何とも情けない…。
「きゃっ、、ちょっと!」
不潔そうに文句を言う女だったが、少女には聞こえていなかった。
昇天の余韻に浸る暇もなく、再び悶え始める。
何故なら器具の振動は止まっていないのだから。
「そんなっ、また…あ、、やあぁーーっ!! たっ、、助けてぇーーーっ!!」
本当に苦しそうな様子に、女は再度股間を覗き見る。
「なっ、、何よ、これ!?」
おぞましい器具が膣とクリトリスに施されている光景に、女は驚いていた。
辱められた少女からしたら、女も同じくらいおぞましいが…。
女は取り外そうとするが、針金は特殊な作りで、リングがクリトリスに嵌った状態では、絶対にローターが膣から取り出せられないようになっているのだ。
クリトリスを嬲るリングは、鍵が無ければ決して外せない。
包皮を剥かれて生の肉芽に嵌り嬲るリングにより、肉芽はプックリと腫れ上がり、根元を捕らえたリングはとても抜けられない。
力任せに外そうとすれば、クリトリスが千切てしまうだろう。
(くっ…! どこまで女の子を辱めれば気が済むのっ…あの男!)
半端な悶え方じゃない少女を見る女。
「このままじゃ危ないわね…。」
俯く少女の顔をのぞき見る。
「誰に取り付けられたの? C? Cなのね?」
痛烈な刺激にまともに喋れない少女だったが、何とか頷いた。
「だとしたら、、」
女は部屋の奥の荷物置きを探った。
Cの荷物からクリトリスリングの鍵を探しているのだ。
少女は悶えながら、女が探し当ててくれるのを切に願う。
「どこ…? どこに、、あった!」
非常に小さな鍵を、女は探し当てた。
女はすぐさま少女に近付くが、太ももが邪魔で、中々股間のリングを探れない。
「こうなったら、、」
少女の太ももを拘束するロープをほどいた。
そして少女の太ももを力任せに押し開き、鍵を取った。
とても小さい鍵だった。
それをリングの手前の鍵穴に入れた。
カチッ
とうとうリングが開き、クリトリスが解放された。
ヌチャアッ、、
すぐに粘液まみれのローターも外され、少女はやっと悶絶から解放された。
ローターの振動は止まらず、床に落ちてもピョコピョコ動いて、濡れ返った粘液を撒き散らしていた。
その光景は何とも滑稽だ。
「リモコン式かしら。ったく…Cの事だから、おそらく気付かない内に何かの拍子にリモコンが動いたのね。」
呼吸が落ち着いてきた少女は、憤りに震える。
(それだけの事で、、あたしは死ぬほど苦しんだというの?)
あまりに酷過ぎる…。
少女は犯人達への怒りが強まった。
すると、取り乱していた少女は、足の拘束が完全に解放された事に今更気付いた。
女は目の前で自分に背中を向けている。
他の犯人はいない。
チャンスだ!
「はっ!」
「ぎゃあっ…!」
少女は渾身の力で女の背中に蹴りを喰らわせ、入口に向かい走った。
「む、無駄よっ、逃げられないわ!」
忠告する女に構わず、緊縛の不快感に崩れ落ちそうになるのを耐え走る。
フラフラな足で必死に走り、分厚いドアに到着した少女。
女の動向に気をつけながら、後ろ手でドアノブを掴む。
(やっぱり施錠されてる…くっ!)
諦めずにドアに体当たりする。
ドカッ、、、ドカッ、、、ドカッ、、、
「痛っ…、く…っ!」
頑強な鉄の扉、、体当たりしても痛いだけでビクともしない。
(ぐッ…やっぱり開かない…。それなら、中からなら鍵を回せれば開くはずよっ)
鍵を見つけた。
しかしそこは結構高い位置で、腰に縛り付けられた後ろ手では到底届かない。
「どうしよう…」
焦る少女は、女の様子を確認するため振り返る。
女はフラフラと歩き、台に寄り掛かった。
(背後から人体急所を力一杯蹴ったのに…歩けるなんて…!)
休息して多少回復したとはいえ、少女は濃密な拷問を延々受けて体力を限界まで絞り取られたため、やはりあの蹴りでは伸す事が出来なかった。
けどダメージで動けないようだ。
台に寄りかかったまま俯き、近付いてこない。
少女はとりあえず安心してドアの鍵に集中する。
しかし、少女は判断ミスを犯していた。
女はダメージで動けなくなって台に寄り掛っているのではない。
台の上にあるビンの液体を、ハンカチに染み込ませているのだ。
少女に見えないような体勢にして、気付かれないように…。
トクトク、トク、、
女は液体を染み込ませたハンカチを持ち、気配を殺しながらそっと少女に近づく。
上半身を縛り上げているとはいえ、油断はできない。
また蹴られるかもしれないし。
実は女も武道の嗜みがあった。
周到な女と違い、少女はすっかり女が動けないと思い込んで油断していた。
(鍵を口で咥えて回せば開くわ!)
そう閃き、少し背をかがめ鍵に口を寄せようとしたその時!
「むぐ…っ!?」
後ろからハンカチで口を塞がれた。
腰も荒々しく抱かれ、女に背中から密着されたまま動けないようにされた。
(し、、しまった…っ)
ハンカチは湿っており、しかもツンと刺激臭がする。
その時少女は、鼻までハンカチで覆われている事に気付いた。
「むぅ…ぅん…っ」
分厚い湿ったハンカチで強く唇を押さえ付けられ鼻を覆われているため、声を発する事もできず、くぐもった呻き声だけが僅かに聞こえる。
縛り上げられた身ゆえ、どんなに暴れても無意味で、しかも気だるく体に力が入らない。
「ぅ…ぐ…っ」
瞼が重く、眠くなってきた様な…。
その様子を観察していた女は、自分より10cm近く小柄な少女の耳元で囁く。
「眠り薬よ。昨日あなたに飲ませたやつを、今度は布に染み込ませて嗅がせたの。ウフフ、ゆっくり眠りなさい…」
耳に女の唇と息の感触が…。
「言ったでしょう? もう絶対に、あなたは逃げられないって…。レロッ」
(そん、な…、助、、けて…)
少女は気持ち悪がる余裕なく、意識がもうろうとし、途切れていく…。
「ん……」
そのまま、少女は気を失った。
女は念のため、しばらく少女の口と鼻をハンカチで塞いで抱いたまま眺めていたが、少女は本当に眠ったようだ。
強く抱き締めていた少女を解放すると、少女はガクッとその場に力無く倒れた。
クウ、、クウ、、という愛らしい寝息と寝顔に、女は満足げに少女を奥に運んだ。
抵抗虚しく、少女は再び無抵抗の捕虜に戻る…。
【責められた少女】
体への振動で、雪子は意識を戻す。
頭がズキンッと痛み、中々重い瞼を開けられなかったが、体中を締め付けるロープの感触に自分の危機を思い出し、何とか目を覚ました。
誰かの肩に寄り掛かって、座って寝ていたようだ。
「気がついたか?」
Cの肩だった…。
「んんっ!」
嫌悪感に少女は身を逸らす。
男たちはまた昨日のように彼女を中央に座らせ、逃がさないように彼女を囲んで座っていた。
少女は眠らされる前の緊縛と猿轡のまま、さらに足首と太ももをピッタリと合わされたまま、よくなめされた縄できっちり縛り上げられていた。
厳重に拘束され、Cの肩に寄り添って眠っていたのだ。
車は少女を乗せて既に発車していた。
運転する女は目を覚ました少女に声を掛けた。
「気がついた? お嬢ちゃん。 よく眠ってたわよ。3時間くらいかしら。これから妹さん達を迎えに行くからねえ。」
ほのぼのとした口調で迎えに行くと言ったが、妹達も捕縛しに行くのだ…。
自分を人質にして…。
絶望に顔を曇らせる少女をバックミラーで見ていた女は、満足げに微笑んで運転に集中した。
Cは周りに聞こえないよう小さな声で、少女の耳元に囁く。
「さっきは済まなかったな。気付かない内に、リモコンのスイッチが3段階で入ってたんだ。お前、喘ぎまくってたんだって? クク、災難だったな。」
「っ…!///(あっけらかんと、、どれだけ苦しんだと思ってるのよっ!)」
男達による酷いいじめに、少女は文句を言う事すらできない。
少女はシュシュトリアンの秘宝、いや男達の私利私欲のために攫われ、人質にされた。
有無を言わさずに無理矢理…。
「これから秘宝を取りに行く。うれしいだろ? 久しぶりに可愛い妹たちに会えるんだからな。」
「……っ!」
Bが言う。
「もう一度言っとくが、秘宝を受け取ってお前らを素直に返すなんて、お前は思っていないよな?」
少女は猿轡された顔をBの方に向けた。
「んん…」
Bは彼女の頬を撫でていった。
「お前達を手に入れたらお前らをどうするか覚えてるか?」
彼女の猿轡をはずす。
「そう、怪猫猫姫に引き渡すのさ。」
「っ…」
「あんな化け物達の捕虜になっちまったら危ないだろうな。俺達がやった以上の拷問でお前等姉妹を嬲り物にして、一生奴隷にするか、殺されるんだろう…。」
耳元で恐ろしげな事を呟く。
分かっていたが恐怖は強まり、少女はやめてもらおうと頼み込まざるを得ない。
「そんな…やめてっ、あなた達、同じ地球人じゃない! それに妹たちに手を出さないで! むぐっ!」
ギュウッ
Bは素早く彼女の口に猿轡を噛ませた。
「んんーーーぅ!!!」
「黙ってろ!!」
そして後頭部に結びつけた。
Bは残酷なことを言ってその反応を見ておもしろがり、うるさくなったら猿轡を噛ませて黙らせる。
何て陰湿な男だろう。
Bもすっかり少女をいじめるのが愉しくなってしまったようだ。
男たちは少女をいじめるのが楽しいのだろう。
少女は屈辱で涙を流しながら顔を赤くしていた。
「へへ、楽しいねえ。」
逆隣のCが何度も彼女にデコピンをしてくる。
「んっ、んんっ。」
Cはまた少女のスカートのポケットに強引に手を突っ込むとハンカチを取り出し、彼女の涙を拭いた。
自分たちで泣かしたくせに…。
すると、車が止まり、エンジンが止まった。
目的地に着いたようだ。
ここは大きめな倉庫のような建物の中で、人気は一切なかった。
助手席のAが、
「さあ、ついたぞ。まだ来てねえようだ。これを…」
Aは、Cに銀色の粘着テープを渡した。
「ここは町中だからな、声を出されるとやっかいだ。」
「あんがとさん。まあ、その時はまた拳銃を突きつければ済む事だけどな。おい、これが何のテープか知ってるか?」
少女に見せつける。
(ただの、ガムテープじゃないの…? 知らないわよっ)
分からないが不安という感じで睨みつけている。
「ダクトテープってんだ。これはその辺のテープよりもずっと丈夫でなあ、一度張るとはずすの大変だろうなあ、はずしても口の周りが荒れるぜ、女の子には耐え難い屈辱だろうなあ。」
それを聞いて少女は嫌がった。
「うう…っ(いや、いやだ!)」
少女は粘着テープを持ったCから少し後ずさんだ。
もちろん、手足は縄で縛られていて動かせないため、お尻に力を入れてほんの少しだけである。
だが、逆隣に座っていたBが彼女の肩を捕まえると、彼女に噛ませてた布の猿轡を外して丸めて彼女の口に押しつけた。
「んんんっ!」
「ほら口を開けろ!」
Bは布を彼女の口の中に入れようとしていた。
もう片方の手は彼女の頭を掴んでぐいぐいと彼女の口に押しつけた。
「んんっ、んんんっ」
「面倒くさいガキだっ。」
粘着テープを持ったCが少女の鼻を摘んだ。
「んぐっ(あたしの鼻を塞いで口を開かせる気だわ…! くっ…あんた達の、思い通りになるもんですかっ!)」
少女は口を開けるもんかと抵抗した。
男たちはそんな少女に面白がって力ずくで口を開かせようとはせず、少女の体をぐいぐいと揺らして彼女が音を上げて口を開くのを待った。
「ほーら、ほーら、苦しいだろ?そろそろ口を開けないと死んじまうぜ?」
「っ……!!」
少女は苦悶の表情を浮かべていた。
(くっ、苦しい…!)
ずっと我慢していた彼女も、男たちの執拗な攻撃に、ついに口を開けてしまった。
「うう、くはあ…あ、ぐうっ!」
それを見計らって、Bは素早く彼女の口に布を押し込んだ。
「ううっ!」
その布は少し大きめで、彼女の小さな口では無理だと思ったが、Bは無理矢理口のこじ開けてぐいぐいと突っ込んだ。
「ううう…」
シュシュに変身できることを覗けば16歳の普通の女の子では、どうすることもできなかった。
喉まで届きそうな位深く咥え込まされ、苦しかった。
「どうだ、美味いか?」
勘に障る言い方に、雪子はCをキッと睨んだ。
「何だ、その生意気な目は…?」
「ぐッ…」
気に障ったのか、粘着テープを持ったCは彼女を押し倒し、彼女の頭を自分の膝に乗せた。
ビーーーッ、ビリッ
Cは粘着テープを切って、少女の口に近づけた。
少女は何度もの男たちの暴力に抵抗する気力を失っていた。
くぐもったか細い声で「いや…いや…」と言っているようだが…。
Cは彼女の口にテープをゆっくりと近づけて、ペタッと少女の口を塞いだ。
粘着テープを少女の口に力強く貼ると、剥がれないようにテープを何度も口に押した。
しつこく何度も何度も押しつけ、少女は屈辱からまた涙を流した。
「へへっ、気が強い割に泣き虫なんだな、可愛いガキだぜ。」
とどめに、貼り付けたダクトテープの両端を親指で抑えると、顔を近づけてテープ越しに強く口付けをした。
「!!?っ…ぐぅ…っ!!///」
強めの口付けの為、Cの鼻が少女の鼻を押し潰すように押し付けられる。
テープ越しとはいえ、おぞましい男に唇を奪われてしまった。
好きな男の子以外の、いやらしい男に…
「うっ…んぅ…むぅ~…っ!」
少女はブワッと涙が溢れ、くぐもった嗚咽を漏らした。
その様子を見ていたBは、呆れたように呟く。
「あーあ、泣かせちまったよ。」
Cは泣きじゃくる少女を膝の上に寝かせたまま、頭や耳や鼻、頬を撫でて、少女を堪能した。
「ちょっと…、来たわよ。」
運転手の女が言った。
ついに妹たちがやってきた。
「ああ。」
Bは雪子のこめかみに拳銃を突きつけた。
「んぐっ(このままじゃ、二人とも殺されちゃう…!)」
少女は身を揺すって抵抗した。
しかしCに体を捕まれ、少しも動けなくなった。
「動くな…!」
拳銃を突きつけたBが脅す。
妹たちは秘宝を持って近づいてくる。
「あいつらも可哀想に…、お前を助けるために死んでしまうんだからなあ。お前が捕まりさえしなければ、可愛い妹たちは死なずにすんだのに…、お前は姉失格だな。」
Cは少女の体を捕まえて拳銃を突きつけたまま少女の耳元で哀れそうにねちねちと囁いた。
最後に男は少女の耳に息を吹き付けた。
彼女の髪の毛が数本なびく。
「ううっうううーーー!」
彼女はその気持ち悪さと自分の非力さに声を上げて泣いてしまった。
もちろん、口の中に布を押し込まれてその上からダクトテープが貼り付けられているので、隣の男にしか聞こえない程の小さい声でだ。
「う…っ、うううっ…(あたしのせいで、、二人とも死んじゃうの…?)」
するとCが厳しく塞がれた口に人差し指を当ててシーーッと言って、少女の頬とさらさらな長い黒髪を撫でた。
【人質にされた少女】
少女を捕らえているCと運転手の女を車内に残して、AとBが出た。
BはCに拳銃を渡した。
「へへへっ」
すぐさまCは得意そうに拳銃を少女のこめかみに押し付けた。
「っ…!」
屈辱に顔を歪めるが、こめかみに銃を押しつけられる感触は、やはり怖い。
外を見ると、アジトでは全くいなかったDもいた。
おそらくこの建物で周到に何か準備をしていたのだろう。
妹達を罠に掛けるために…。
「んんっんんんんーーっ!!(だめ来ちゃ、これは罠よ。)」
少女は叫んだ。
しかし厳しい猿轡にのため、小さい声にしかならなかった。
「大人しくしてろ!」
Cの少女の体を締める力と拳銃を押しつける力を強くした。
男たちが出ると、妹たちはその大柄に少し驚いたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「ひ、秘宝は、持ってきたわ」
Bが受け取る。
「ようし、上出来だ。」
「さあ、お姉ちゃんを返して!」
月子が凛とした声で吠える。
しかしBはニイッと口を吊り上げて言う。
「残念だがそう言うわけにはいかないんだよ。」
ガチャアーンッ
さらに、妹達が入ってきた大扉を、Dが閉めた。
車が入ってきた入り口はすでにDが閉めてきたため、これで妹達は外界からシャットアウトされた事になる。
「え…っ? そんなっ、、約束が違うじゃない!」
妹たちは驚いた。
散々卑劣な事を体に味合わされた雪子は、やっぱりそうだ、と思った。
「動くなよ、こっちには人質がいるんだからな」
「ひ、卑怯者!」
すると男達は、ふためく妹達の足下に10cm程の鎖が付いた足枷を2つ投げた。
「!? こ、、これは…っ」
「それを自分の足首に嵌めろ。逃げたらその瞬間にお前らかお姉ちゃんを撃ち殺す。」
「くっ…!」
逆らえない妹達は、悔しげに唇を噛みしめながら、命令通り足枷を両足首に嵌めた。
これで足の自由は奪われ、辛うじてゆっくり歩く事だけしかできない…。
やるせない思いで、可哀想な妹達を車内で見る雪子。
ニヤけて眺めていたBは、さらに手錠を二つ、妹達の足元に投げた。
「っ…!(あの手錠は…!)」
雪子が嵌められた、鎖無しの強力な拘束力の手錠だった。
「今度はそれを後ろ手につけてもらおうか。俺たちがよく見えるように後ろを向いてな。まずしゃがめ。」
男たちは拳銃を取り出して妹たちに向けた。
「さあ、早くしろ!!」
妹たちはその声に驚いて言う通り後ろ向きにしゃがみ、手を後ろに組んで慣れない手つきで手錠をつけた。
ガチャッ、、ガチャリッ、、
「よし、来い!」
妹達は足枷を嵌められ後ろ手に拘束されたまま、歩きにくそうに進む。
ワゴン車の前に着くと、男達は素早く妹達を抱き上げ、雪子がいる後部座席の後ろの、荷物置きに無理矢理押し込めた。
「きゃっ!」
「んんっ」
押し込められた妹達に、雪子がくぐもった声を掛けた。
妹たちが雪子に気付いた。
酷い姿だった…。
体中殴られた跡や汚れでいっぱいで、顔にも少し痣があった。
高校の夏服も汚れ、ブラウスからブラとお腹が覗いていた。
そんな少女のやわな体に、容赦ない緊縛が施されていた。
見た目だけでも相当ギッチリ縛り上げられている事が分かる。
「…お、、お姉ちゃん!…うぐっ!?」
妹たちはいきなり口にダクトテープを貼られた。
「んんんー!」
「へへ、静かにしてろ、三人仲良く怪猫猫姫に引き渡してやるからよ。」
皆震えあがり、声を上げた。
「んんー、んんんーーーっ!」
すると男たちが三人の女の子に当て身を食らわして、押し倒した。
「うぐっっ!」
少女を押し倒しのしかかり、こめかみに銃を突き付けた。
「大人しくしてろ、痛い目に遭わせるぞ!」
三人とも自分たちをさらった男たちを睨みつけたまま、大人しく横たわった。
さらに男達は妹二人を押さえ付けたまま、花子の右足の足枷だけ外すと、鎖を月子の足枷の鎖に絡め、元通り⇒汗に可背を嵌め直した。
「「っ!!?」」
驚き絶望に表情が変わっていく妹達を尻目に、バックドアを閉めた。
(これじゃ、足がくっ付いたまま、どうする事も出来ない。)
足枷だけなら蹴りを放つ事ができるため、それを防ぐために、妹二人の足枷同士を繋いでしまったのだ。
想像以上の狡猾な拘束に、妹二人は慄いた。
雪子の表情も、何ともやるせない感じだった。
犯人達は三姉妹を完璧に拘束し、車に戻る。
犯人全員が車に戻ろうとしたその瞬間、周りがライトに包まれ、警官たちが飛び出してきた。
建物の2階から入ってきたのだ。
警官達は機敏な動きで、犯人達に迫る。
「う、、動くんじゃねえ! 人質の娘がどうなっても…うわっ」
「んんっ!!」
Cが隣の雪子に拳銃を突きつけて脅そうとした時、雪子は力一杯頭突きを放った。
それは見事Cの顔にクリーンヒットし、Cは倒れた。
さらに警官が煙幕で視界を封じ、外にいたAとBとDを取り押さえた。
あのとんでもなく強いAをあっさりと…。
ただの警官ではなく、特殊捜査班だろう。
希望が湧き出た雪子は捕えられながらも、戦士のリーダーとして俊敏に行動を始める。
雪子はCとは逆のドアから必死に車外に脱出した。
縛り上げられ受け身が取れない雪子は、頭から地面に倒れた。
Cが取り押さえる前に、雪子は走ってきた警官に保護され、Cは取り押さえられた。
残ったのは女一人、、警官達のたくさんの拳銃の前に、女はあっさり降伏した。
あまりのスピードと意外さに姉妹は目を丸くし、犯人たちは取り押さえられた。
少女達を苦しめてきた犯人達は、これであっさりと警察に逮捕された。
警官達に車から保護された姉妹は、説明を受けた。
どうやら女の子たちが人気のないところに入っていくのを不審に思って跡をつけたようだ。
その目撃者は、何と雪子の幼馴染のテツだった。
警察に、テツから雪子の捜索願を出されていたのだ。
また、目撃した際に犯人達をこっそり写真に撮り、それも警察に提出した。
犯人達は皆前課持ちで、その一人は指名手配されていた重要犯罪人だったのだ。
どおりで、狡猾で周到な罠を張り巡らせ、残虐な拷問をためらわずにできたのだ、と雪子は納得した。
犯人達にされてきた仕打ちを思い出し、体が震える。
しかもテツは、特殊捜査班の一人と知り合いだったのだ。
だから、めったに出ないイメージの特殊捜査班が出張ってくれたのだ。
(テツ君…、ずっと、、ずっとあたしを探してくれてたのね…?)
すごい幸運だったと思ったら、テツのおかげだったのだ。
姉妹は縄を解かれ、猿轡をはずされた。
ベリッ
「ぷはっ…、お、お姉ちゃんっ!」
ベリッ
「くはあっ…。み、みんな…ありがとうっ、ごめんね!」
妹達は姉に抱きついて、泣きじゃくった。
自分達は助かったのだ。
あのおぞましい犯人達から…。
犯人の一人はやはり少女達の秘密を知っており、己の利益のために地球を売り、そのために少女達を捕えたのだ。
何ともやりきれない話だった。
守るべき地球人達に…。
純朴な少女達は、価値観が覆りそうなほどのショックだった。
しかし…。
「雪子! 大丈夫か?」
テツが、婦警に介護されている雪子達の下へ走る。
「テ、、テツ君……~~~!」
それ以上は声にならなかった。
今まで泣きじゃくる妹達を慰めていた雪子は、とたんに緊張の糸が切れたのか、堰を切って涙をボロボロ流した。
テツは黙って少女を抱き寄せた。
その心地いい抱擁に、少女は妹達の前だという事も構わずワンワン泣き出してしまった。
「お姉ちゃん…。」
再び妹達も泣きそうになる。
今回の件で一番ひどい目に遭ったのは、他ならぬ長女の雪子だったのだ。
誘拐、拉致監禁、婦女暴行、強制わいせつ、脅迫、、
前課持ちの犯人達は、務所からただでは出られないだろう。
しかし、罪を証明するために、雪子は今までされてきた残虐な拷問を、全て明かさなければならない。
それを考えると気持ち悪くなってくる、、強気な少女でも乗り越えられるだろうか。
そんな不安に苛まれる少女に、テツは自分の上着を羽織らせた。
そう言えばブラウスはボロボロで肌が露出し、かなり恥ずかしい格好だった事を、雪子は助かった安心感からすっかり忘れていた。
彼の上着は小柄な少女の体を膝まですっぽりと覆い、暖かく心地よかった。
「もう、大丈夫だ。ゆっくり休もう。」
少女は、声にならない悲痛な嗚咽を上げながら、頷いた。
(大丈夫…。彼と一緒なら、きっと、、乗り越えられるわ……)
安心したのか、雪子はテツに抱かれたまま、気を失ってしまった。
妹達を中心に周りは心配したが、スヤスヤと寝息が聞こえると、安心した。
「ゆっくり休め。さあ、帰ろう。」
彼は少女の小柄な体を腕に抱き、救急車へと運び、自分も入った。
《完》